会計士試験合格後、多くの合格者がまず就職するのは、監査法人です。
女性会計士にとって監査法人は働きやすいのか監査法人の中ではどの法人が一番働きやすいのか、と聞かれることがあります。
そこで、監査法人勤務経験のある一個人の筆者の視点から書いてみます。

  • 働きやすさはチームによって変わる

監査法人では、監査チームがクライアント毎に編成されることが多いため、働きやすさは担当するチームのメンバーによって大きく異なります。一人の会計士が複数の監査チームに関与することが多いため、仮に苦手な人がいたとしても四六時中顔をあわせる訳ではなく、対人面では気楽かもしれません。

また、クライアント毎にチームが編成されるため、どうしても人によって仕事量に差が生じます。女性には都心部に近いところや、大手企業で大人数のチームを割り当てる場合もあります。筆者が関与していたチームでは、自分の意思を尊重してくれる上司に恵まれたため、自分が働きやすいチームを選択することができました。

 

  • 雰囲気は人数の多い男性寄り

そうはいっても、監査法人は男性が大多数であるため、チームの雰囲気も自然と男性のペースになることが多いのも現状です。

例えば、とても些細なことですが、ランチの時間が挙げられます。筆者は入所当初、チームでランチに行くと、男性陣の食事するスピードが早く、女性の自分がいつも取り残されることが気になっていました。そこで、ランチの時はここに食べに行ってみたいと店を希望したり、量が少なめの料理を予め注文したりなどの工夫をしていました。

また、深夜遅くまで平気で働ける習慣があるため、お化粧を落として寝たいという時間になっても日中と同様に働いているということもあります。時間が遅くなったとしても女性だけ先に帰すということはあまりありません。筆者は、どうしても予定があって遅くまで残れない日は、その日の朝にあらかじめチームメンバーに伝えておく等工夫をしていました。

決して男性優位にすべきという風習があるというわけではなく、人数が多いために自然と男性社会の雰囲気になっているだけです。そんな中では、チーム内の意思疎通がしっかり図れることで、自分の働きやすい環境は構築できるといえます。

  • 建設的なチームワークをつくること

だからと言って、家庭があるから、子供がいるから等の理由で、業務に対して守りに入ってしまうのもよくありません。監査業務は、自分個人で完結する業務ではなく多くの監査チームメンバーが関わるため、チームワークがとても大切です。チームメンバーの中には、それぞれのワークスタイルやライフスタイルがあり、担当する業務、得意とする分野も様々です。そのため、チーム内の会計士を尊重し合い、自分のできることを積極的に取り組み、建設的なチームワークを発揮することが大切であるといえます。

どんな状況であっても、相手を思いやり、積極的に業務に取り組むことが、自分の働きやすいワークスタイルを確立するポイントだといえるでしょう。