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会計士コラム

顧問から得られる収益の考え方

会計士事務所・税理士事務所として独立開業し、顧問契約先など定期的に報酬をいただける顧客が増えてきた時に顧客との付き合い方の点で重要な考え方の一つが、LTVです。ここでは、「顧客の生涯価値」などと訳されるLTVの概念や、顧客管理の考え方について説明します。

LTVという考え方

LTV(Life Time Value)は、ファッションブランドやECなどの業界でよく聞くマーケティング用語で、商品・サービスの提供者が、ある特定の顧客に初めて接触してから関係が終了するまでの間に得られる収益の総額を算出する指標です。顧客と良好な関係を築き、新たなサービスの追加や契約のグレードアップなどを通し継続的に取引してもらう環境を創り維持することで、LTVを高めることができます。

会計士事務所・税理士事務所の顧問契約の場合のLTVは、月額報酬額に契約期間(月数)を掛けて算出します。LTVを上げるには、個別の顧問先に対して「記帳代行」「決算申告」「節税対策」等のメニューを追加し単価を上げるだけでなく、事務所として顧客ニーズにマッチしたサービスを展開することや、成長の見込みある企業にリソースを割いてロイヤリティを高める等の意識が重要です。

獲得と維持コストを考慮したマーケティング

限られた時間をいかに有効に使うかでパフォーマンスに差がでますが、近年の働き方改革の流れから、経営者個人の時間の使い方だけでなく、従業員の活動の効率化が以前にも増して重要になっています。

マーケティング活動において、事務所が組織単位で活動を効率化する際に役立つ指標が、前述のLTVです。マーケティング活動となると新規顧客の獲得を重視される方がいますが、引き合い獲得までのアプローチ、初期相談、提案、契約といった一連の活動にかかるコストを考えた場合、自分や従業員の時間を既存顧客のフォローに投下し、追加案件の獲得や顧問契約の長期化を通してLTVを高めた方が、コスト・ベネフィットの観点で事務所の売上・利益を効率的に拡大できるケースが多いです。

LTVを意識した顧客管理

既存顧客のフォローに時間を投下してLTVを高めるためのキーが、顧客管理です。既存顧客をLTVの観点からリスト上で見える化をすることで、組織単位でのパフォーマンス向上につながります。

リスト化に当たっては、LTVの概念に沿って利益と時間の観点から整理すると良いでしょう。利益に係る項目は、現行の報酬額のほか、顧客の成長性や外部プロフェッショナルの活用状況等です。時間に係る項目は、財務状況、後継者の有無等です。LTVを意識すると、他事務所へ切り替えられないよう、既存顧客のニーズに合った丁寧な提案や、不満の早期解消などの意識が高まる効果も期待できます。

LTVを意識した活動によりマーケティングのパフォーマンスが上がることで、サービス品質の向上や従業員の定着化を実現し、事務所経営に好循環が生まれやすくなります。参考にしていただければ幸いです。