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会計士コラム

公認会計士による新規上場企業の財務分析【シンシア】

公認会計士の視点から、今注目の新規上場企業を紹介し、財務分析を行います。

今回は、コンタクトレンズの製造・販売を行う株式会社シンシアについて企業分析を行います。

会社名 株式会社シンシア
証券コード 7782
市場 東証マザーズ(上場予定日:20161216日)
業種 精密機器
事業内容 コンタクトレンズの製造・販売
設立 2008年9月5日
従業員数 31名(平成28年10月31日現在)
代表取締役 中村 研
事業戦略 使い捨てコンタクトレンズの他、サークルレンズやカラーコンタクトレンズのようなおしゃれ用コンタクトレンズの製造・販売を行っています。

 

平成2312月期から平成2712月期(以下、当期)までの財務情報を用いて、公認会計士の視点から財務分析を行いました。

会計士の5期間財務分析

売上推移

  • 当期の売上高は4,244,303千円で、売上高成長率は14%と高水準です。単体ベースでも増加傾向にあり、平成2312月期と比較すると当期は1.65倍となりました。
  • 売上高の増加はドラッグストア向け売上の増加、ネット通販顧客の増加やカラーコンタクトレンズ市場の拡大等によるものとされています。同社は単一事業ですが、拡大傾向にあるコンタクトレンズの市場規模は2015年時点で2000億円を超えるとされており、伸びしろは大きいと言えます。
  • 国内売上が90%超を占めていますが、アジアに複数の販売子会社を有し今後も海外事業展開の強化を図るとしています。

会社の利益構造

  • 当期の経常利益は318,346千円で前期比13%減少しています。また、当期純利益は211,804千円で前期比2%減少しています。但し、前期は為替差益204,003千円が計上されたことの影響が大きく、営業利益で見ると当期の方が上回っています。
  • 仕入商品の大部分を米国ドル建てで決済しており、デリバティブ取引により為替変動のリスクヘッジを行う方針であるとされています。但し全てのリスクを回避できるとは限らず、またヘッジ会計を採用していないデリバティブ取引が存在しているため、為替変動による影響やデリバティブ取引の時価評価等が損益を変動させる要因となります。平成2812月期第3四半期においては急激な円高進行によるデリバティブ商品の時価下落等によりデリバティブ評価損385,802千円が計上されており、これが経常利益を押し下げています。
  • 当期の売上高経常利益率は7.5%と良好な水準ですが、上述の営業外損益項目の影響により変動しやすいと考えられます。

会社の資本構成

  • 当期末の自己資本比率は55.14%、流動比率は213%となっており、安全面で良好な水準であると考えられます。
  • 固定資産が少なく、総資産に占める固定資産の割合は8%となっています。

PER(予想株価収益率)

  • 当期純利益211,804千円、上場時発行済株式総数2,089,000株及び想定発行価格2,100円に基づいて算定した予想PERは20.7倍となります。

企業価値に影響を与える外部的要因

  • 中長期的には少子高齢化による若年層の減少によりコンタクトレンズメーカーの競争が激化する可能性があります。