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独立会計士コラム

公認会計士による新規上場企業の財務分析【ユナイテッド&コレクティブ】

公認会計士の視点から、今注目の新規上場企業を紹介し、財務分析を行います。

今回は、首都圏を中心に鶏料理専門店の「てけてけ」、ハンバーガーショップの「the 3rd Burger」、魚と地酒の「心」など複数の業態を展開しているユナイテッド&コレクティブ株式会社について企業分析を行いました。
会社名 ユナイテッド&コレクティブ株式会社
証券コード 3557
市場 東証マザーズ(上場:2017年2月23日)
業種 小売業
事業内容 首都圏における鶏料理専門店「てけてけ」及び和食「心」、ハンバーガーショップ「the 3rd Burger」の直営方式による運営事業
設立 2000年7月27日
従業員数 149名(2016年12月31日時点)
代表取締役社長 坂井 英也
事業戦略 多くの外食産業で採用されているセントラルキッチンを利用せずに各店での仕込み調理を行うことで、コンビニチェーンとの競争を避け、圧倒的に高い品質の料理を提供することで独自の競争優位性を得ようとしています。
平成24年2月期から平成28年2月期(以下、当期)までの財務情報を用いて、公認会計士の視点から財務分析を行いました。

会計士の5期間財務分析

売上推移

  • ISP(In Store Preparation)と呼ばれる各店で仕込み調理を行う戦略を徹底することで、業績においては順調に右肩上がりを続けており、当期末現在の店舗数は55店舗まで拡大しています。
  • 当期の売上は前年同期比26.0%増加しているものの、それぞれの業態の既存店売上は前年同期比で10%前後に留まっており、売上増の貢献度は新規出店によるところが大きくなっています。
  • また、当期の販売実績としては、居酒屋業態が92%、ファーストフード業態が8%となっており、当期末の店舗数においてもそれぞれの業態が販売実績と概ね同じ比率で構成されています。
 

会社の利益構造

  • ISPにおいて商品の均一化や低生産性が課題となるものの、当期においては、売上の前年同期比26.0%増加に対して、売上総利益が前年同期比27.0%増加と原価率についても改善が見受けられます。
  • 一方、急速な店舗拡大に伴う人員募集等による影響から、当期の販売費及び一般管理費は前年同期比27.0%増加しています。なお、当期の販売費及び一般管理費が売上に占める割合は69.5%であり、競合である株式会社鳥貴族における2016年7月期の同割合が62.1%であることから、利益率向上にあたって、より一層の生産性向上や商品の絞り込み等が必要になると考えられます。
   

会社の資本構成

  • 当期の連結ベースでの自己資本利益率は10.3%であり、自己資本比率16.6%となっています。また、当期の営業活動によるキャッシュ・フローは純利益を大きく上回っています。
  • 新規出店に伴う固定資産の増加により投資活動によるキャッシュ・フローが前年同期比から大きく増加するのと同様に、財務活動によるキャッシュ・フローが長期借入れにより前年同期比から大きく増加しています。
  • なお、新規発行による資金使途については、新規出店のための設備資金に充当する予定です。
 

PER(予想株価収益率)

  • 平成28年2月期の1株あたりの純利益は39円99銭です。また、想定発行価格1,400円に対する、当期のPERは35.0倍となっています。
 

企業価値に影響を与える外部的要因

  • 成熟市場である外食産業において、近年の価格競争の激化や個人消費支出の選別化などの激しい経営環境となっており、一段と競争激化が進んだ場合には経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  • ISP戦略においては、セントラルキッチン方式以上に優れた人材獲得が重要となっており、上記の厳しい経営環境の中で人材の獲得及び育成が出店拡大に追いつかない場合には経営成績に影響を及ぼす可能性があります。