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独立会計士コラム

生命保険を使った決算対策⑦

具体的な生命保険商品(その3)

③(法人向け)がん保険
・商品の特徴:
 個人向けがん保険と同じように、被保険者ががんと診断され手術や入院の際に治療費や給付金が支払われる、いわゆる第三分野(※1)の保険です。法人向けの最大の特徴は、解約返戻金が積み上がる点にあります。なお、前回紹介した逓増定期保険の全額損金処理が平成20年2月に概ね認められなくなって以来、平成24年4月の国税庁通達(※2)まで間、国内でほぼ唯一認められた全額損金の貯蓄性保険として、広く活用されました。

・保険料の損金算入割合:
支払い保険料の50%で、残りの50%は資産計上となります(※2)。

・保険料の高さ:
 保険料は、これまで紹介した第1分野の生命保険と比べ、低くなる傾向があります。また、後述の通り、同じ「1/2損金タイプ」の逓増定期保険と比べてピーク時の返戻率が低くなる傾向があります。それでも引き続き決算対策として活用されるのは、主に、加入限度額(※3)と健康状態(※4)の2つの問題からです。つまり、既に高額な生命保険に加入している場合や、経営者等の体況から告知扱で加入できる商品を探している場合に、効果的な商品です。

・解約返戻金の税務上の扱い:
資産計上分を引いた額、つまり保険料累計額の半分が益金となります。

・返戻率:
 前述の通り、ピーク時の返戻率は80%台後半程度と相対的に高くなく、全額損金算入が認められない現状において、返戻率は本商品の重要なファクターではありません。

(※1)保険業法が、保険商品を次の通り3つに大別しております。
 第一分野:いわゆる生命保険(死亡を保障)で、生命保険会社のみが引き受け可能です。
 第二分野:いわゆる損害保険(偶然の事故を保障)で、損害保険会社のみが引き受け可能です。
 第三分野:「傷害保険」「医療保険」「がん保険」などの保険で、生命保険会社と損害保険会社の双方で取扱うことができます。

(※2)国税庁長官法令解釈通達「法人が支払う「がん保険」(終身保障タイプ)の保険料の取扱いについて」(平成24年4月27日課法2-5,課審5-6)により、同日以降の契約に係るがん保険の保険料を法人が支払った場合の税務上の損金算入割合は50%となりました。

(※3)各保険会社は、法人で加入する生命保険の保険金に限度額を設定しており、この金額を上回る新規の加入ができません。この限度額は、被保険者の年齢・役職・年収や保険契約者である法人の年商によって算出されます。保険会社によってその算出方法は異なりますが、金額は保険会社間で通算されます。

(※4)これまで紹介した保険商品は、基本的に、病院・診療所での診査を前提としています。これに対し、がん保険は、限られた項目への告知のみで加入できるものが多く、例えば、精神疾患、糖尿病、高血圧などがんとの関係が低い病気等をお持ちでも加入できる可能性の高い商品です。また、加入手続きの手軽さから、例えば「取締役3名」や「部長以上の役職員5名」など、複数名の被保険者で加入するケースが多いのも特徴の一つです。

以上