公認会計士による新規上場企業の財務分析【ユーザベース】

公認会計士の視点から、今注目の新規上場企業を紹介し、財務分析を行います。

今回は、「経済情報で、世界をかえる」をミッションに掲げ、ソーシャル経済ニュースアプリNewsPicksを事業展開しているユーザベースについて企業分析を行いました。

会社名 (株)ユーザベース
証券コード 3966
市場 東証マザーズ(上場予定日:2016年10月21日)
業種 情報・通信業
事業内容 法人向けオンライン企業・業界情報プラットフォーム「SPEEDA」の提供、経済ニュース「NewsPicks」の提供
設立 2008年4月1日
従業員数 178名(2016年8月31日現在)
代表取締役 新野 良介 及び 梅田 優祐
事業戦略 「経済情報で、世界をかえる」をミッションに掲げ、企業・産業分析のためのオンライン情報サービス「SPEEDA」や経済情報に特化したキュレーションサービス「NewsPicks」などの幅広い事業を展開しています。

 

会計士の5期間財務分析

平成2312月期から平成2712月期(以下、当期)までの財務情報を用いて、公認会計士の視点から財務分析を行いました。

売上推移

  • 売上高は毎期増加しており、連結ベースでの5期間の年平均成長率は46%と高い水準で推移しています。
  • 当期の報告セグメント毎の売上高構成比率は、SPEEDA事業が81(前期比41%増加)NewsPicks事業が19(前期比1,536%増加)となっており、SPEEDA事業が収益の柱となっています。

会社の利益構造

  • 当期の当期純利益は110,736千円の黒字となっているものの、当期より計上された持分変動利益444,333千円を除けば、赤字となっています。主に事業拡大に伴う積極的な人材投資により、上記持分変動利益を除いた当期純利益は連結ベースで4期連続赤字となります。
  • 当期において、売上原価は売上比で63%と、前期72%から減少しているものの、販売費及び一般管理費は前期比47%増加しています。前述の事業拡大に伴う積極的な人材投資により、給料及び手当が241,391千円と、前期146,965千円から増加したことが起因しています。なお、前期の従業員数は106名、当期の従業員数は140名と増加し、2016年8月31日現在では178名とさらに増加しています。

会社の資本構成

  • 当期末における自己資本比率は37.19%、流動比率は212%、固定比率は29%となっています。自己資本比率は同業種と比べてやや低い水準にありますが、流動比率及び固定比率は一般的に良好な水準にあります。
  • 新規発行による手取金の使途については、全額を運転資金に充当する予定であり、具体的には事業拡大に伴う人員体制構築のための投資、及びユーザベースグループのサービスの知名度向上のための広告宣伝費等を予定しています。

PER(予想株価収益率)

  • 平成2712月期の1株あたりの純利益は1707銭となっており、一方で想定発行価格は2,510円、仮条件は2,1902,510円と下振れています。想定発行価格から算定した当期のPER147.04倍となります。

企業価値に影響を与える外部的要因

  • 情報サービス産業における予期しない技術革新があり、システム開発等の適切な対応に支障が生じた場合には競争力の低下を招く可能性があります。
  • NewsPicks事業におけるスマートフォン向けアプリはApple Inc.及びGoogle Inc.のプラットフォーム運営事業者にアプリを提供することが事業展開の前提であり、これらプラットフォーム運営事業者の事業戦略の転換が経営成績に影響を及ぼす可能性があります。