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女性会計士コラム

個人富裕層のための節税マニュアル~所得税編

何のために節税をしたいと思うのでしょうか。同じ支出でも、モノの仕入れや固定資産の取得などのように支出の見合いを直接感じることができないため、また、個人の所得税や相続税は累進課税であるため富裕層にとっては負担感が大きいことが主な原因だと思います。実際に、いかに所得や相続財産を減らせるかに頭を悩ませている富裕層の方々は多く存在します。

 節税とは、合法的に税金を減らすことです。税金を減らす=所得を減らす=所得税であれば経費を増やすか売上を減らすか、相続税であれば相続財産を減らすか相続財産の評価額を下げるかですね。しかし、税金を減らしたいという思いが強いあまり、節税が目的化してしまい、税金以外の支出が増えることで手元の資金が減るという本末転倒の結果になっては意味がありません。

 ここでは、会計士として富裕層のお客様と接する前に知っておきたい節税の方法をお伝えします。今回は、所得税に関する節税方法です。むしろ、富裕層の方はこのような情報は当然に知っていることが多いので、話の土台をすりあわせるための知識としてご活用ください。※以下で示す制度は、2017年8月現在施行されている税法に基づくものです。

・青色事業専従者への給与支払い
 青色申告者が家族に対して給与として支払う額を必要経費とすることができる制度です。所得を家族へ分散させることで、家族単位で残るお金を最大限にすることができます。この制度の適用を受けるために税務署へ所定の届出をすること、実際にその家族は事業のために働いていること、その給与額は世間の相場から大きく乖離がないこと、などの条件が必要です。

・小規模企業共済
 http://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/index.html
一定の小規模(業種により要件が異なります)な事業を営む個人事業主又は法人役員の退職金見合いとして月額7万円を上限に積み立てられる共済制度です。掛金は全額所得控除の対象となることで拠出時の所得が減ります。受け取るときに一括払いを選択すると退職所得扱いとなり、退職所得控除のメリットが大きいため税負担が少なく受け取れます。

・中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)
 http://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/index.html
一定の中小規模の個人事業主又は会社が、得意先の倒産に備えて月額20万円を上限に、総額800万円になるまで積み立てられる共済制度です。掛金は全額事業所得の必要経費となることで拠出時の所得が減ります。40か月以上掛金を納付していれば、任意解約で全額受け取ることができます。一括払いしても12か月分までは支払期に経費にできるため、事業年度末直前に利益状況をみて、最大240万円は所得を圧縮することができます。

・事業の法人化
 事業や不動産から生じる所得が安定的に一定規模見込める場合は、法人化も節税の選択肢となります。法人税率が所得税率を下回る所得額、法人から払う役員報酬の額、法人税を支払った後に会社に残るお金など、最適なところをシミュレーションして、法人化することで税額(法人税・所得税)をトータルで最小に抑え経営者に最大のお金が残るようであれば法人化にメリットがあります。

 これらは、富裕層のみならず、事業を始めたい方にとっても有益な情報です。自身で試してみると、お客様に対して自信をもって提案ができますよ。
 次回は、相続税に関する節税方法をお伝えします。