社長の悩みに寄り添える会計士になるために

孤独であること-大なり小なりどの社長も抱えている悩みです。

会社を発展させていくには、社長一人の力では限界があります。従業員を雇い、専門分野は外部の専門家に任せるなどして、多くの人とともに事業を進めていきます。しかし、社長は、対外的に全責任を負う役割であり、かつ対内的にも最も偉くて少し遠くに感じる存在かもしれません。自分と同じ責任感で資金繰りやビジネスリスクを気にしながら会社を想って舟を漕いでくれる相手、心の底から相談できる相手は身近にはいないと思っている社長は多いのです。

結果が出ないと取引のある関係者や従業員に不安に思われる、信頼を失うなどのプレッシャーに常にさらされている一方で、素晴らしい結果を出しても経営者として当然と思われ、誰かが褒めてくれるわけでもありません。

 社長の悩みを聞く立場になりうる会計士であっても、軽々しく「わかります」などとは言えないものです。いや、わかっていないだろう、と内心では思われてしまいます。社長の思いを聞き、ただ受け止めることはできても、同じ痛みや焦りや不安を感じることはできないと思った方が良いと思います。それを踏まえて社長と対話し、私たちがサポートできることは何かを考えることが大切です。

 独立会計士であれば特に社長と直接話す機会が多くあります。私たちにできることは、経営者という人間の孤独に寄り添い、事業を進めていくうえでの不安を埋めるようなサポートをしていくことです。単に数字の処理や形式的なことだけを教えていたり、知っていることを難しい言葉で一方的に話し続けたりする会計士はいずれ必要とされなくなります。

経営資源のヒト、モノ、カネ、情報を集めるプロセスのうち、会計士が関与できる領域は十分にあります。特に経理人材の紹介、資金調達支援、管理部門の構築などは会計士の強みといえるでしょう。社長の悩みに対してさまざまなノウハウ、ネットワーク、経験で寄り添える会計士を目指したいものです。