会計士事務所・税理士事務所の経営において、会計士や税理士、つまり人が重要であることは言うまでもありませんが、他事務所との競争やタイムマネジメントなどの観点から、事務所を開設する立地も重要な要素の一つです。

開業する立地は事業に影響あるか

目標設定や事業計画を策定することは重要であり、その計画を達成するために影響を与えるものの一つが事務所の立地です。つまり、事務所経営において有利な立地と不利な立地が存在します。

有利・不利を分ける最大のポイントは、潜在顧客や競合の数です。例えば、特定の業界に特化したサービスに注力するのであれば、その業界団体の事務所や業界を代表する企業の本社があるエリアなどが有利と言えます。IPO支援を売りにするのであれば、ベンチャー企業が多いエリアなどが有利でしょう。いずれも、業界団体などのホームページから情報を収集すると良いでしょう。

エリアの候補を複数に絞ったら、次は競合となる会計士事務所の数をチェックします。その際、単に事務所の数を調べるのではなく、各事務所が売りにしているサービスを把握することで、ライバルなのか補完関係を作れるのかが分かります。

ポイントは「営業」と「人材採用」

エリアや立地の選定において重要なポイントは、効率的に営業活動や人材採用が行えることです。限りある時間のより多くを付加価値の高い活動に使うためには、移動時間はなるべく少なくしたいところです。潜在顧客が多く所在する地域までドアtoドアで30分以内に到着できる立地が良いでしょう。家賃とのバランスになりますが、電車で移動するエリアであれば最寄り駅から近いほうが良いです。また、顧客が来訪してもらう時に分かりやすいよう、目印となる交差点やビルのそばの物件を選ぶことも大切です。

また、事務所の成長とともに従業員を採用することになりますので、上記のポイントは人材採用の点でも有利に働きます。

事務所を開設するエリア・立地は、事務所の経営に影響を与える重要な要素です。潜在顧客や競合の数に加え、アクセスの良さを踏まえたうえで、無理のない賃料の物件を選ぶと良いでしょう。