会計士事務所や税理士事務所として独立するのに必要な費用はいくらかご存知でしょうか?必要な資金の額を把握し、自己資金として積み立てるべき金額の目安を把握することは、独立前の重要な準備の一つです。

経費のメインはオフィスの賃貸と設備資金

会計士事務所の独立時にかかる主な費用の一つが、オフィスの賃貸と設備資金です。オフィスの賃貸には、地域により商慣習が異なりますが、月額賃料のほか、礼金と敷金(保証金)を入居日ないし内装工事の着工日までに支払う必要があります。そのほか、一般的には不動産仲介業者への仲介手数料も必要です。礼金は賃料の1〜2ヶ月分、仲介手数料は1ヶ月分ですが、敷金はオフィスのタイプにより2〜6ヶ月分程度かかります。オフィスの面積のうち作業スペース部分はペーパーレス化の推進やフリーアドレスの導入等で、広くなり過ぎないようにして賃料を抑えると良いでしょう。

設備資金は、デスクやキャビネットなどの什器備品、PCや複合機などの事務機器、および会計ソフトなどを購入するための資金です。什器備品など長く使うものは一括購入や分割払いで、事務機器など4〜5年で入れ替えるものはリースを活用するなどすれば、初期コスト、月々の負担ならびに総支払額の点でメリットが出ます。

顧客獲得のための広告費用は確保する

地道な営業活動だけでは顧客が増えない場合もあるので、広告を活用することを視野に入れ、予めそのための費用を計算に入れておくと、独立後の資金繰りに余裕が生まれます。利用する広告の種類やそれにかかるコストはターゲット顧客などで変わりますので、広告業界の友人や独立した先輩会計士などに早い段階で相談されることをお勧めします。

その他採用費や研修費など

その他、日本公認会計士協会の年会費、税理士政治連盟会費および地域会会費などの年会費や、知識を維持向上するための研修費も欠かせません。また、事務所経営が軌道に乗れば初年度から人を雇うことになりますので、そのための採用コストも見込んでおくべきです。

ここで重要なのは、将来の売上高は不確実性が高いのに対して費用はある程度確実に発生することです。そのため、費用の予測額はやや多めに見積もり、独立開業後に資金繰りで困ることがないよう計画を立てると良いでしょう。