会計士事務所・税理士事務所として独立して間もない時期は新規顧客の獲得が特に重要です。その際のポイントの一つが、プランニングです。ここでは、顧客獲得の成功率を上げて事務所経営を軌道に乗せるためのプランの立て方を中心に紹介します。

目標値を設定する

KGIやKPIといった用語をご存知でしょうか?それぞれ、Key Goal IndicatorとKey Performance Indicatorの略で、KGIは重要目標達成指標、KPIは重要業績評価指標などと訳されます。目標であるKGIを達成するために、その構成要素を細分化し行動計画・施策へ繋ぎやすくするのがKPIです。多くの企業が、経営レベルから各従業員のレベルまで幅広いレイヤーで活用しています。開業1年目の顧客の少ない時期は、成功率の高い動きを無駄なく積み上げていく必要があるため、特に重要です。

ここで重要なのは、行動に繋がるようなKGIをまず設定することです。そのためには、KGIは曖昧なものではなく、数値化され、期限が設定され、実現可能なレベルである必要があります。例えば、「半年後までに、月額報酬3万円以上のクライアント企業を10社に増やす」といった目標になります。

目標を達成するための行動計画を考える

行動計画・施策は、具体的なKPIを立てることで見えてきます。例えば、前述の「半年後までに、月額報酬3万円以上のクライアントを10社に増やす」をKGIとした場合のKPIは、「講演会を通して、月1社のペースで顧問契約を獲得」「地域金融機関の担当者からの紹介を通して、隔月1社のペースで顧問契約を獲得」「インターネット広告を通して、隔月1社のペースで顧問契約を獲得」等です。

このように具体的なKPIが設定されると、行動計画・施策が立てられます。講演会の例であれば、「講演会の宣伝ルートとして効果的なものを調べる」「講演会で話すべきテーマを検討する」「講演会で配布する資料を作る」「タイアップして講演してくれるFPを探す」などです。

目標(KGI)や、目標を細分化し達成度合いを測ることのできる指標(KPI)を立てることで、目標達成に直結した行動を起こしやすくなり、貴重なリソースである経営者の時間や資金を効率的に使うことのイメージができると思います。