会計士事務所・税理士事務所として独立開業後、webマーケティングを活用し効率的に顧客獲得をしたい会計士・税理士は多いと思います。今回は、会計士事務所等によるwebマーケティングをよりコストベネフィットの高いものとするためのポイントを説明します。

web集客における代表的な3つの方法

会計士事務所・税理士事務所の経営においてホームページを顧客獲得の手段として稼働させるには、会計士事務所を検討している企業経営者や経理部の担当者等にホームページへアクセスしてもらう必要があり、そのためにはより多くの見込み客にサイトをクリックしてもらう方が良く、その確度を上げるには検索時の表示回数を増やすことが重要です。

表示回数やクリック数を増やすためによく利用されるweb上の3種類の宣伝手段が、「SEO」「リスティング広告」および「ディスプレイ広告」です。「SEO」は、webサイトが検索結果で多く表示されるための取り組みです。会計士事務所を検討する人が「記帳代行」「資金調達」などのキーワードで検索した際に上位に表示されることを狙います。これに対し「リスティング広告」とは、検索結果のページの上部に表示される専用の広告枠へ掲載される広告です。

SEOによる検索結果より上に表示されますが、クリック件数に応じた費用が発生します。最後に「ディスプレイ広告」とは、webサイトやアプリ上の広告枠に表示される広告です。ブログなどの閲覧時にサイトの右側や下部に登場するもので、リターゲティング広告とも呼ばれます。

各手法の特徴

これら3種類の宣伝方法について、限られた資金でより成果の大きいマーケティングを行うための視点から、それぞれの特徴を説明します。

SEOは、コストがかからない点がメリットですが、一方で表示回数を増やすのに一定の時間がかかるうえ、時間をかけても上位に表示される保証はありません。一方、リスティング広告は、会計や税務等のキーワード検索をしたユーザーに対しすぐに広告を表示することができるうえ、効果を見ながら出稿条件の見直しを簡単に行うことできるため短期間でクリック数を増やす効果が期待できますが、SEOと比べコストがかかります。

ディスプレイ広告は、その他2種類の手法と比べ、「消費税申告」や「節税対策」などニーズが明確なユーザーに絞った表示ができませんが、リターゲティングにより、会計士等事務所に興味・関心があると考えられる潜在的なユーザーに繰り返しアプローチでき、コストもリスティング広告ほどかかりません。

ニーズに合わせた集客方法を把握

これら3種の手法はいずれも会計士事務所の顧客獲得に有効で、全てを活用するのが理想的です。それぞれの特徴を踏まえ、訴求するターゲット層に合わせて各手法を効果的に使い分けることが重要です。つまり、独立開業から間もない時期や、経営相談などのオプション契約について期間限定のキャンペーンをアピールする際には短期的に効果が期待できるリスティング広告を使い税務会計サービスへのニーズが高い顧客へダイレクトにアプローチすると良いでしょう。

同時に、コンテンツ量を確保しながらSEO対策を継続し検索結果の上位を狙うことで効果が高まります。そして、潜在的な顧客の中長期的なフォローのためにディスプレイ広告を活用すると良いでしょう。

今回は、webマーケティングの効果を高めるうえでキーとなる3種の手法について、顧客ニーズが顕在化するまでの時間の違いに注意しながら、それぞれの特徴を説明しました。効率良く顧客獲得を図るためのヒントとなれば、幸いです。