このコラムをご覧になっている女性会計士の中には、監査法人退所後に、事業会社の経理職への転職を希望されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、監査法人勤務後、事業会社で経理として働く女性会計士より、経験談と、これから事業会社で経理職を経験しようと考えている方へ、アドバイスをいただきました。

 

~~以下、寄稿文~~

私は大学卒業後に監査法人へ入所し、4年弱監査部門に在籍した後、一部上場メーカーの経理へ転職しました。同社で決算開示中心に約6年従事し、現在は非上場サービス業の会社で経理財務を担当しています。


働き方に関しては、事業会社への転職で、不規則な生活は改善しました。
在宅勤務については、先進的な企業もありますが、一方で経理職としては難しさも感じるのが現状です。特に中小企業では、財務のような日次業務に関わると、在宅勤務はせいぜい週1日かなと感じてしまいます。IT化が進んでいる会社なら、在宅勤務の可能性はもっと広がるのかもしれません。


二度の転職を経て、あらゆる転職先は一長一短というのが私の持論です。
監査職からの転職は、「会計士じゃなくてもできる仕事」を選ぶことを意味します。苦労して資格を取ったのに勿体ない、と周囲から言われますし、自分自身の葛藤にもなります。経理のような実務職への転職だと尚更です。でも裏を返せば、「資格がなくてもできる仕事」は、それだけなり手が多く、代わりやサポートが見つかりやすい仕事でもあります(少なくとも有資格者のみの監査業界よりは、はるかに母数が多い)。ライフステージに応じて働き方を変えたいと思う身にとっては、例えば時短にしたい場合に、残りの仕事を担当できる人がわりとすぐ見つかると思うと、心理的な負担も減りますし、会社側の抵抗も少なく済みます。
現勤務先は、私と同様にワークライフバランスを理由に転職してきた女性も多く、そのためにも現行の業務を何とか効率化できないかとお互い必死に(笑)知恵を出し合っています。ライフステージが近い人達の中で働けている点は、転職して得られたメリットだと思っています。

今転職を迷われている女性会計士の方には、次の2つを確認してからの転職活動をお勧めしたいです。


1.転職で何か手放すものがあるはずなので(慣れた仕事、良い仕事仲間、収入 etc.)それが何かを漏れなく具体的に認識する

2.それらを手放してでも叶えたいものは、転職という形でしか叶えられないものかどうか、あらゆる手段を検討する


紹介されて軽い気持ちで応募すると、超速で内定を出されて決断を迫られるケースが普通にあるからです。考え尽くしたうえで転職という決断に到ったなら、その時はたいてい心の霧が晴れています。青空の中を駆け出すような心境で転職活動を始められたなら、後悔の少ない選択ができると思います。

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いかがでしたか?
最後のアドバイスは、かなり考えさせられる内容ではないでしょうか。
皆様が自分の思い描く未来へ一歩踏み出せるよう、女性会計士.jobも応援しています。
迷っている方は、ぜひ登録して、皆様の思いを聞かせてください。