近年、ベンチャー企業等を中心に、女性会計士への常勤監査役オファーが多くなっていることをご存知でしょうか?
今回は、実際に監査役に就任されている方に、その実態やこれから監査役職に就任したいと考えている方へのアドバイスを伺いました。

 

~~~以下、寄稿文~~~

私は公認会計士試験に合格後、大手監査法人の地方事務所に入所しました。中堅規模の事務所だったためリソースが限られており、業務時間が長く、一年の半分以上は終電帰りやタクシー帰りでした。また丁度結婚、出産を考える年齢だったので、この働き方では子育てが丸投げになってしまったりするのではないか、リソースが少ない中で子どもが熱を出して会社を休んだら誰がフォローできるのか…など、様々な不安があり、転職を考えるようになりました。

現在は上場企業の常勤監査役として勤務しています。監査役の範疇は会計監査のみならず業務監査にも及ぶので、同じ「監査」といえどその性質はかなり異なりますが、業務の流れ(一つ一つの監査証拠によって心証を形成し、意見を表明する)は基本的には変わりません。しかし監査役監査には統一的・固定的なマニュアルがないため、基本的にどのような監査を行うかは監査役本人及び各社の判断に依る点が大きく異なります。

現在の職位は役員ですので就業(拘束される)時間という考え方はありませんが、原則週5日、6時間の勤務としています。また残業はほとんどしていませんが、およそ月に1回程度、上記時間内に調整できなかったミーティングや外部勉強会等に参加しています。

また、決算期は少し忙しくなりますが、業務時間内に終わらないような量ではありません。従って業務は年間を通じ比較的平準化されていると思います。また業務は基本的に一人で実施するため、進捗を誰かと調整したりといった作業がほとんどないことは良い点だと思います。さらに休暇の日数にも制限がありませんので、子どもが立て続けに熱を出しても有休の残日数を心配するようなこともないことも良い点だと思います。

転職後に求められた知識としては、会計の知識以上に会社法、その他法律知識が必要でした。一応受験時代に勉強したはずではありますが、監査法人時代はどっぷり会社法を見るということはほとんどなかったため、現在も受験時代のテキストや各種参考書を参照することが多いです。

とはいえ法律知識は転職後の対応でも十分間に合います。しかし、監査役監査は会計監査と異なり監査の全体像、重要監査項目、各監査の手法を全て自分達で検討、判断しなくてはならないという特徴上、「自分で考えられる力」が最も重要だと思います。従って監査法人在職中であっても「マニュアル通りに、形式的に」業務をこなすのではなく、本質的な監査となるよう考える力を身につけておくと良いのではないかと思います。

女性会計士として「このままでいいの?」と思うことはごく当然のことだと思います。しかし監査法人の外にもキャリアは大きく広がっていますので、ぜひ一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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いかがでしたか?
身近に監査役就任者がいないと、お話が聞けないかと思います。
ぜひ、参考になさってみてください。

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