会計士独立コラム:会計士でも押さえておくべきweb分析
会計士事務所・税理士事務所として独立開業後、ホームページの運営やweb広告などのwebマーケティングを集客に活かすケースが増えております。ここでは、会計士事務所におけるwebマーケティングの効果測定や改善の方法などについて説明します。
web分析で押さえておく指標
企業経営者や経理担当者が会計士事務所をインターネットで検索し実際に契約するまでの流れは、概ね次の通りです。①解決したい税務会計上の課題や地域などのキーワードで検索②検索結果のページから、課題を解決してくれると思われる複数の事務所のホームページをクリックし訪問③事務所ホームページ内の各ページを閲覧し、代表者のバックグラウンド、料金、実績、サービスメニュー等を比較し問い合わせする先を選定④事務所への電話連絡、面談ないしセミナー参加等を経て信頼が構築され、双方の求める条件が合致すれば契約が成立。このうち①〜③がwebマーケティングの対象です。
これら①〜③のそれぞれについて、会計士事務所側の目線で反響の程度を把握することがwebマーケティングにおける効果測定の基本になります。具体的には、①キーワード検索による表示回数(インプレッション数)、②表示された後、実際にホームページへ訪問する割合(クリック率)、③訪問された後、実際に事務所へ問い合わせに至った割合(コンバージョン率)です。
webマーケティングの効果を計る方法は、上記の3指標それぞれに対し、例えば「クリック率1%」などと基準を設定し結果と比較する方法のほか、問い合わせ1件当たりの広告費や成約1件当たりの広告費について基準を設定する方法もあります。前者の場合、3指標のうちどれを改善すれば良いかが分かり改善策を立てやすいものの、事務所が投下する広告費の概念を含みません。後者は、会計士事務所のビジネスは投資回収が比較的容易なストック型に分類されるため、広告費を含む受注コストが成約1件あたり5〜10万円程度を下回るようであれば、費用対効果の高い集客ができていると言えます。
改善の基本
前述の指標①〜③について、設定した基準を下回る場合、それぞれ次のように改善策を立てるのがwebマーケティングの基本的な「最適化」作業です。
①表示回数が少ない場合、リスティング広告を活用し、会計や税務等のキーワード検索をしたユーザーに対しすぐに広告が表示されるようにすると良いでしょう。また、ホームページ内の各ページにキーワード(地域名、会計士、資金調達、事業承継、など)を出現させる等のSEO対策も効果的です。
②クリック率が低い場合、検索結果でより上位に表示させることと、潜在顧客のニーズにマッチしたワードを短い広告文に表示することが重要です。そのため、ホームページのタイトル「タイトルタグ」や説明文「メタディスクリプション」を、キーワードを含む最適な文字数でページの内容を適切に伝わる文章とするほか、スマホ対応の実施も効果的です。リスティング広告を利用する場合は、除外キーワードの追加もクリック率向上に寄与します。また、事業者は自社オフィスの近くにある会計士事務所へ委託する傾向があるため、広告を出す地域を絞ることも重要です。
③コンバージョン率が低い場合、訪問してくれた企業経営者等が求めるニーズ(=キーワード)とホームページの内容がマッチしていない、もしくはホームページの内容や構成が魅力的ではない可能性が高いです。この場合、キーワードの見直しだけでなく、ホームページへ最新のコンテンツを増やすほか、動画を加える等の対策が効果的です。また、見込み客の多くは、ホームページを隅から隅まで読まないことを前提に、TOPページ(特にファーストビュー)に、「所長の顔写真や事務所の様子が分かる写真」「事務所名」「電話番号」「事務所の強み」「主なサービスのラインナップ」「実績」等情報が表示されているかを再確認すると良いでしょう。
分析ツールの基本「Google Analytics」
ここまでwebマーケティングにおける基本的な効果測定や改善の方法を説明しましたが、事務所ホームページの良し悪しをより具体的に分析し改善活動を行うために有益なツールが、Google Analyticsです。事務所への問い合わせ件数やセミナー申込み件数等のコンバージョン数を上げるために有益な各種データを計測することができ、基本的に無料で利用可能で、会計士事務所会計士事務所のwebサイトの運営にも必須ツールと言えます。
Google Analyticsを使うことで、例えば、「サイト訪問者がどのキーワードで訪問したか」、「使用されたデバイスはPCかスマホか」、「リスティング広告経由か自然検索経由か」、「ホームページ内のどのページがよく見られたか」、「どのページを最後にサイトの閲覧を終了したか」、「初めて訪問した人が訪問者全体のどの程度いるか」、といったデータを簡単に把握できます。これらを踏まえ、キーワードの変更やホームページの内容、デザイン、構成等の改善、ならびにコンテンツの追加など、具体的な解決策を立てることができます。
今回は、会計士事務所が展開するwebマーケティングの効果測定や改善策、および既に必須ツールとなりつつあるGoogle Analyticsについて紹介しました。webマーケティングは分析と改善を継続することで効果を維持・向上させることができます。
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