会計士事務所・税理士事務所として独立開業後、新規顧客から契約を受注するには、webマーケティング等で事務所の認知度を上げ、見込み顧客から電話やメールで問い合わせを受け、面談し、面談後のフォロー等を続ける、といったフローがあります。今回は、見込み顧客からの問い合わせ電話への対応でやってはいけない失敗例を紹介します。

電話だけで終わってしまう

既述の通り、会計士事務所が新規顧客との間で契約を成立させるには、一連の流れがあり、問い合わせ電話は、契約成立の最大の鍵となる面談へ繋げるための欠かせない重要なステップです。

当たり前のことですが、問い合わせ電話を受けただけでは売上になりません。せっかく問い合わせ電話を受けたのに面談に繋げられなかった場合、その問い合わせのためにかかったコストが無駄になります。webマーケティング支援業者への支払いやセミナー会場の使用料だけでなく、web上で表示回数やクリック率を上げるための改善活動やセミナー開催のための準備など全てが無駄になります。これらを思い返せば、問い合わせ電話を電話だけで終わらせることがどれ程勿体無いことかが実感できると思います。

電話ではお客様の真のニーズは分からない

会計士事務所の提供するプロフェッショナル・サービスは、事業者の経営に重要な影響を与えるものが多い一方で、事業者がそのサービスの種類や内容について正確に理解していないケースが多いです。

見込み顧客である事業者のニーズを把握し、それに対し事務所が提供できる価値あるサービスの概要を伝えるには、電話だけでは不十分です。対面し、資料等を使いながら時間をかけて説明するべきです。また、中長期的な付き合いとなる顧問契約を受注する場合、所長の人柄などを含めて信頼される必要があり、そのためにも実際に会って話をすることが重要です。

そのため、見込み顧客からの問い合わせ電話は、たとえ容易に回答できるような内容であっても全てを回答せず、ただの「いい人(事務所)」で終わらないよう気をつけましょう。

顧客主導で電話をしない

見込み顧客の規模等によりますが、問い合わせ電話をかけてくるのは経営者自身のケースが多いです。限られた時間で成果を出すことへの意識が高い経営者は、自分のペースで話を進めるのが上手い人が多く、会計事務所への問い合わせ電話でも、自分の伝えたいことや聞きたいことを勢いよく話してくるでしょう。

このように会話が顧客主導となってしまうと、面談に至らずに終わってしまう確率が高まります。プロフェッショナルの意識を持って電話対応するのはもちろんのこと、トークスクリプトやヒアリングシートなどを用意し、こちらのペースで会話するための工夫を加えると良いでしょう。

今回は、独立会計士が見込客から問い合わせ電話を受けた際にやってはいけない主な失敗例を紹介しました。問い合わせ電話は面談日時を確認するための連絡と位置づけ、1件でも多くの問い合わせを面談に繋げて下さい。