会計士事務所・税理士事務所として独立開業後、web広告やダイレクトメール などのマーケティング活動・営業活動で事務所の知名度が上がると、見込み顧客から問い合わせ電話を受けるようになります。今回は、受注率を上げる観点から、会計事務所が心がけるべき電話対応のポイント等について説明します。

電話はアポイントを取得する場

資金調達、決算・税務申告、事業承継など会計事務所が提供するサービスの多くは、事業者にとって重要な経営課題を解決するためのものです。そのため、webサイトやダイレクトメールで事務所を知った見込み顧客が最初から契約の申し込みを目的に電話をかけてくるようなケースは少ないです。大半の場合、電話で問い合わせし、面談やその後のやり取りを通して所長や事務所に対し信頼を感じたうえで初めて契約となります。つまり、見込み顧客からの問い合わせ電話を相手の質問に答えるだけで終了してしまえば、受注に至らず、1円の売上にもなりません。

電話対応は経験の浅い若手従業員に担当させる会社が多いですが、会計士事務所の場合、特に見込み顧客からの問い合わせ電話については、適切な教育し、電話をきっちりアポイントへ繋ぐことのできるスタッフに担当させましょう。見込み顧客からの電話対応と既存顧客からの電話対応の担当を分け、見込み顧客については営業力のあるスタッフないし所長自身が対応している会計事務所もあります。

感じのよい電話対応を心がける

見込み顧客からの問い合わせ電話を面談へ繋げなければ受注には至らないことを説明しましたが、アポイントの取得ばかり考えて電話対応すると、「顧客の話を聞いてくれない事務所」と思われ、印象が悪くなる可能性があります。

見込み顧客は電話での対応を通して、事務所の雰囲気などを判断します。特に経営者の場合、自身が営業を経験しているケースが多く、細かいところまで気付きます。電話対応については、「3コール以内に取る」、「先方の社名やお名前を復唱する」、「取次は一旦保留にするが、30秒以上かかりそうな場合はこちらから折り返す」など絶対に外せないマナーがあります。いずれも書籍やwebサイト等で紹介されているため具体的な説明は割愛しますが、会計士事務所における見込み顧客からの電話対応では、その印象が悪ければ受注率が下がってしまうことをご理解下さい。

今回は、独立会計士における受注率の観点から、見込み顧客からの電話対応で心がけるべきことを紹介しました。webマーケティングなどの宣伝活動を成果につなげるためにも、電話対応の重要性を理解し、より多くの問い合わせを面談へ繋げていただければと思います。