会計士事務所・税理士事務所として独立開業後は、新規顧客を獲得するためにwebマーケティングやセミナーなど各種の営業活動を行います。今回は、これら一連の営業フローの中で最終工程とも言える面接で、受注率へ影響を与える第一印象について説明します。

第一印象、大丈夫ですか?

ダイレクトメールやホームページのメンテナンス等で事務所の認知度を上げ、問い合わせ電話に丁寧に対応した後は、いよいよ見込み顧客と面談を行うこととなります。事務所側が面談を通して見込み顧客を理解しようと努力するのと同様に、見込み顧客側も事務所をよく観察します。重要な経営マターを相談するに当たり信用できる事務所か判断します。そのため、第一印象でマイナスな評価を与えないための準備が重要です。特に事務所を開設したばかりの時期は、地域等での評判や信頼がまだ積み上がっていないため、細部まで気を使う必要があります。

2005年頃に売れた書籍『人は見た目が9割』(竹内一郎著、新潮社)では、喋りは上手いのに他人から信用されない人と無口でも説得力を与える人の差は、「見た目」によるとありました。「見た目」とは、言語以外の全ての情報のことで、顔つき、服装、姿勢、その場の温度等です。会計事務所が面談で見込み顧客に与える第一印象でも同じことが言えます。オフィスのうち特に顧客から見える部分を清潔に保ち、照明や空調まで気を配るのはもちろんのこと、髪型やスーツなどの身だしなみや、相手の目を見て笑顔で挨拶するといったマナーも第一印象に影響が大きいことを理解して下さい。

職員のビジネスマナーにも注意

事務所へ来られた見込み顧客が受ける第一印象は、オフィスのハード面や所長の「見た目」だけではなく、職員の「見た目」も含みます。前述の身だしなみや挨拶に加え、基本的なビジネスマナーを全ての職員に身につけさせる必要があります。ビジネス経験のある経営者は、応接室で下座を案内されただけで社員教育のできていない事務所だとすぐ気づきます。逆に、応接へ案内する際、「所長は間も無く参ります」「コート掛けをご自由にお使いください」「お飲み物はコーヒーとお茶のどちらを飲まれますか」などの一言だけで印象を良くすることもできます。

今回は、会計事務所において見込み顧客と面談する際の第一印象の重要性や、気をつけるべき点について説明しました。「見た目」を洗練させることで受注率は上がります。ぜひ、実践してください。