会計士事務所・税理士事務所として独立開業後、事務所の顧客を増やすために営業活動を行いますが、受注率を大きく左右する活動の一つが、面談後のフォローです。インターネットの普及などで他事務所と比較される機会が多くなり、面談後フォローの重要性が一層高まっております。

まずは面談後に感謝を示そう

税務調査や相続税申告など顧客が切羽詰まった状況にない限り、初回の営業面談の中で契約が締結されるケースは多くありません。2度目以降の面談で成約するケースや、面談から数日後に顧客から連絡を受けて成約するケースが大半です。

初回面談後、顧客は、先輩経営者や家族ないし社員等と相談するほか、他事務所と比較します。そんな中、顧客に選んでもらうためには、サービス内容や価格等条件で魅力を感じさせることはもちろん、人柄や態度で、好印象を与えることが重要です。そのために必ず行いたいのが、感謝状の送付です。手書きかつ毛筆で書くことで、見込み顧客に特別な印象を与え、後日に思い出してもらう確率がアップします。出張が続くなど忙しくて手書きの感謝状を作れない場合は、メールやメッセンジャー等SNSでのメッセージの送信を忘れないようにしましょう。ただし、その場合は当日中に送るのが基本です。

見込みのレベル感を把握してフォロー

先ほど、2度目以降の面談や面談後に顧客から連絡を受けて成約することが多いと説明しましたが、大半のケースは、こちらからアポを打診してセッティングした2度目以降の面談の中での成約です。もちろん、好印象を強く与えていれば、決算が近づいてから決算申告や節税対策のための連絡を受け即成約することもありますが、面談の最中に契約成立を狙うことで受注率は確実に高まります。

一方、初回相談等を行った全ての見込み顧客に対し同じレベル感で追加の面談を打診するのは営業効率の観点から勧めません。初回面談やその後のフォローの中で、成約確度と想定報酬額のサイズで顧客を分類し、レベル感に差をつけてフォローすると良いでしょう。

メルマガで継続的にフォロー

多数の見込み顧客を効率良くフォローする手段として有効なのがメルマガです。面談で成約できず、次回面談のアポも取れなかった場合でも、名刺交換さえすればメールアドレスを取得できます。ただし、その他士業やコンサルタントなどが同様にメルマガを配信しております中、役に立たないと思われると配信停止手続きをされるだけでなく、印象が悪くなります。そのため、専門性の高い税務会計トピックなど自己満足的な情報を送るのではなく、見込み顧客の目線から、ビジネスに有益な情報を意識して発信すると良いでしょう。

今回は、独立会計士が顧客を増やすうえで重要な面談後フォローの方法を紹介しました。面談後フォローが一連の営業活動のキーである点を認識し、効率良く顧客を増やしていただければ幸いです。