【会計士インタビュー】「挑戦する勇気と柔軟なキャリア構築」独立成功へのヒント
今回は経理未経験者向の研修・チューター業務等で活躍している下田さんにお越しいただきました。会計士.jobの活用方法や自分の叶えたいことに向けてどのように行動したか、色々聞かせていただきました。
合同会社Meteore 代表
下田 慎也 様
監査法人で5年勤務後、決算業務を含む業務フローを経験しようと思い事業会社へ転職。2021年に副業で会計士.jobに登録し稼働していたが、事業会社での経験をやり切り、副業の収益が安定したため「これは独立いける」と思い独立。
現在は起業し、合同会社Meteoreの代表を務める傍ら、会計士.jobからご紹介の決算開示案件や経理未経験者への研修・チューターとしても活躍中。
1.キャリア概要、独立の経緯
――公認会計士を目指したきっかけについて教えてください。
(下田氏)
大学卒業後、すぐに公認会計士試験に合格しました。当時は特定の会社に行きたいという明確な目標は持っていませんでした。むしろ、将来的にはコンサルティング企業への就職又は起業の道を模索していました。とはいえ、当時の自分にはコネや資金がなく、幅広く企業を見られる職業を選びたいと思っていました。そんな中で、会計士の資格は、監査法人を通じて様々な業界や企業に触れることができるという点で非常に魅力的に感じました。また監査人という立場を活かして、多くの企業の成功例を学ぶことができる点が、公認会計士という資格取得を目指す大きな決め手になりました。
――大手監査法人での経験が独立にどう影響しましたか?
(下田氏)
大手監査法人での経験は、今の自分にとって非常に重要な基盤になっています。特に大企業の成功例を数多く見てきたことで、自分自身の中で “こうしたら成功する” というパターンが蓄積されました。監査法人での入職5年目に差し掛かる頃には、自分のやりたいことが明確になってきました。それまでの経験を活かして、より自由に、そして自分の裁量で仕事を進めたいと思うようになり、独立を決意しました。独立を決めた理由のひとつは、副業をする中で、中小企業やスタートアップ企業から関与して欲しいという依頼が増えてきて、クライアントの役に立てるということが実感できるようになったからです。
2.独立初期の状況
――独立のきっかけについて教えてください。
(下田氏)
また独立を考え始めたのは、副業での成功体験が大きなきっかけでした。当時、勤めていた会社で担当していたプロジェクトが短期間で完了し、時間に余裕ができたので、副業として小さな案件を、会計士.jobをはじめとしていくつかの媒体等を通じて受け始めてみました。想像以上に多くの案件が舞い込んできて、一般的な監査法人のパートナーの収入を超えてしまうほどになりました。それが自分にとって大きな転機で、もしかしたらこのまま独立してもやっていけるのではないかと考えるようになりました。副業時代の手応えがあったおかげで、独立する決心がついたのです。
――独立当初はどのような状況でしたか?
(下田氏)
独立当初は、思った以上に多くの案件が入ってきたことに驚きました。副業としてスタートした頃は、仕事の量をそこまで期待していなかったんですが、実際には多くの企業からの依頼がありました。それで、これは本格的に独立してもやっていけるな、と感じました。ただ、全てを一人でこなすのはやはり大変でしたね。営業から事務作業、クライアントとのやり取りまで、全て自分で行わなければならなかったので、時間管理が非常に重要でした。最初は手探りでしたが、徐々に効率的に仕事を進める方法を見つけていきました。
――副業時代と独立後の違いについて教えてください。
(下田氏)
副業時代は、会社員としての収入があったので、精神的には安定していました。案件がなくても生活に困ることはなかったので、多少リスクを取って挑戦することができました。しかし、独立してからは、自分が全ての責任を負わなければならないというプレッシャーがありました。ただ、ありがたいことに、独立後も案件が途切れることなく入ってきたので、比較的順調に進められました。初年度から黒字を維持できたことも、自信を持って独立を続ける原動力になりましたね。
3.会計士.jobの活用状況
――独立後、会計士.jobをどのように活用されていますか?
(下田氏)
会計士.jobは、非常に使いやすいプラットフォームですね。独立前から登録していましたが、特に独立後にその価値を実感しました。案件の検索機能が充実しているので、自分のスキルや経験に合った仕事を探すのがとてもスムーズです。特にフリーランスとしてやっていく中で、案件を継続的に確保するのは大きな課題ですが、会計士. jobを活用することで、その不安が軽減されました。また、他の会計士とのネットワーキングにも役立っていて、案件だけでなく情報交換やアドバイスをもらう場としても有効に活用しています。
――他にどのようなサービスを利用していますか?
(下田氏)
エージェントサービスも積極的に利用しています。エージェント経由だと、契約上のリスクをカバーしてくれることが多いので、安心感がありますね。特に大きなプロジェクトに携わる際には、自分一人で全てを管理するのは難しいですし、エージェントが間に入ってくれることで、契約や報酬の交渉がスムーズに進みます。今でも多くの案件はエージェント経由で進めていますが、それでも直案件も徐々に増えてきているので、バランスよく仕事を進められています。
4.独立体験からの学び
――独立してみて学んだことや感じたことがあれば教えてください。
(下田氏)
独立して一番学んだことは、やはり自己管理の重要性です。会社員時代は、ある程度決まったフローの中で仕事をしていればよかったのですが、独立すると全てが自己責任になります。スケジュール管理やタスクの優先順位付けをきちんと行わないと、すぐに手が回らなくなってしまいます。また、コミュニケーションの大切さも痛感しました。独立後はクライアントとの信頼関係が直接ビジネスに影響するため、常にオープンで誠実な対応を心がけるようになりました。いくら専門知識があっても、クライアントとしっかりとした関係を築けなければ、良い結果は得られないということを学びました。
――独立後の困難や課題について教えてください。
(下田氏)
独立当初は、すぐに多くの案件が来るわけではないので、最初の数ヶ月間は不安でした。自分のスキルや経験をどのように見せるかが非常に重要でしたね。また、クライアントごとにニーズや期待が違うので、それに応じて柔軟に対応することが求められました。さらに、1人で業務を進める場合、多くの知識が必要です。最近では従業員を雇うようになりましたが、その分、労務管理やオフィス運営の負担も増えました。特に就業規則の作成や各種手続きなど、予想以上に手間がかかる部分もありますが、そうした新しい経験も今後の成長に繋がると感じています。
5.将来の目標とビジョン
――今後の目標やビジョンについて教えてください。
(下田氏)
今後は、会計コンサルティングの業務をさらに拡大し、特にNASDAQ系のIPO支援を強化していきたいと考えています。IPO支援は非常にやりがいがありますし、クライアントとの信頼関係を深めることができる分野でもあります。また、私はコミュニティ運営やアプリ開発にも興味があり、そうした新たなビジネスに注力したいと思っています。最終的には、これまでに築いたノウハウを信頼できるパートナーに引き継ぎ、私はもう少し戦略的な部分に集中したいです。そして、いずれはフランスに移住して、海外での新たな挑戦を続けたいとも考えています。
――海外での活動についても考えていらっしゃるんですね。
(下田氏)
はい、フランス移住はずっと考えていることの一つです。日本でのビジネスをしっかりと確立した上で、海外で新しい市場に挑戦したいと思っています。具体的には、ECサイトの立ち上げなど、いくつかのアイデアを検討中です。また、海外のビジネス文化や市場についても学びたいと考えているので、フランスでの新しい生活がその第一歩になると期待しています。
6. これから独立を目指す方々へのメッセージ
――独立を考えている人に向けてアドバイスをお願いします。
(下田氏)
独立に向いているかどうかよりも、まずは挑戦するかどうかが重要だと思います。誰でも最初は不安ですが、実際にやってみることで多くの学びが得られます。特に、会計士.jobのようなプラットフォームを活用して、まずは自分に合った案件を少しずつ受けてみるのが良いと思います。もし最初うまくいかないことがあったとしても、あきらめず愚直に対応すれば、次のチャンスは必ず来ると思います。重要なのは、その失敗から何を学び、どう次に活かすかです。実績が増えれば、自然と信頼が積み重なり、仕事も増えていくと考えています。
――最後に、独立後に重要な要素とは何だと思いますか?
(下田氏)
独立後は、クライアントとのコミュニケーション能力が鍵を握ります。会計知識やスキルはもちろん重要ですが、それ以上に大切なのは信頼関係です。クライアントが何を求めているかをしっかり理解し、それに応じた提案やサポートを提供することが必要です。また、自分自身のスキルだけでなく、人としての信頼を築くことが、長期的な成功に繋がります。ですので、クライアントのニーズを常に意識し、丁寧な対応を心がけることが大切です。
インタビューを終えて
今回は合同会社Meteore代表の下田慎也様にお話を伺うことができました。
副業時代と独立後の流れは、すごく参考になる点が多いですね。できることの幅を広げていくためには、実直に経験を取りに行く姿勢の先に、海外ビジネス展開も視野に入れている点は、すごく刺激を受けました。ありがとうございました。
現状の働き方に不安や疑問がある方は是非ご登録を!
公認会計士に特化したワーキングプラットフォーム
「会計士.job」
合わせて読むならこちら
現状の働き方に不安や疑問がある方は是非ご登録を!