【会計士インタビュー】キャリアを活かし、柔軟な働き方を実現する独立会計士の挑戦とビジョン
今回は内部監査支援やJ-SOX支援等で活躍している片桐さんにお越しいただきました。独立後の会計士.jobの活用方法や自分の目標を実現するためにどのように行動したかなど、さまざまなお話を伺いました。
片桐 彩夏 様
監査法人で4年勤務後、事業運営に携わりたいとの思いから事業会社へ転職し営業企画部でマーケティング業務に従事。
その後結婚出産を機に独立、現在は育児に専念しながらも自身のスキルアップのために会計士.jobで案件を受けながら活躍中。
1.キャリア概要、独立の経緯
――キャリアの概要と、独立に至った経緯について教えてください。
(片桐氏)
私は2011年に大学を卒業し、同年に会計士試験に合格しました。その後、監査法人に入所し、4年半ほど監査業務に従事しました。主に上場企業を担当し、主査も経験させていただきましたが、この時点で監査業務に対する満足感を得ており、もっと違う角度からビジネスに関わりたいと考え始めました。そこで、より深く一つの会社を知り、事業運営に携わりたいとの思いから、小規模の一般事業会社に転職し、営業企画部で約1年間勤務しました。
しかし、長女の妊娠を機に、今後の働き方や生き方を改めて見つめ直すことになりました。仕事を続けるか、育児に専念するかを悩みましたが、『仕事はいつでも再開できるが、子供との時間は今しかない』という思いが強まり、退職を決意しました。その後しばらくは専業主婦として育児に専念していましたが、社会との距離や自分の能力の低下を感じるようになり、金銭的な不安も増したため、インターネットで仕事を探していたところ、会計士.jobに出会いました。
2.独立初期の状況
――独立当初はどのような状況でしたか?また、どのような苦労がありましたか?
(片桐氏)
独立当初は、まだ長女が幼かったこともあり、リモートワークを活用して、育児と両立しながら少しずつ仕事を始めました。最初の案件はJ-SOXの整備運用評価や規程整備の支援業務で、平日の2、3日、一日2、3時間の作業がメインでした。作業は主に家で行い、2週間に一度クライアント先に訪問してミーティングを行う形で、リモートワークを取り入れたフレキシブルな働き方を実現できました。
――苦労した点はありましたか?
(片桐氏)
会計業界の情報をキャッチアップするのが難しく、新しい基準や他社事例についての情報がなかなか手に入りにくいという点が苦労しました。この点に関しては、会計士.jobが提供している無料セミナーが非常に役立ち、最新の情報を得る手段として活用しています。また、必要に応じて担当マネージャーに相談し、他社の事例についても確認することで情報不足を補っています。
3.会計士.jobの活用状況
――独立後、会計士.jobをどのように活用されていますか?
(片桐氏)
会計士.jobは、私が独立した2018年から利用しています。最初の案件を引き受けた後、夫の海外駐在に伴って家族で移住したり、次女の妊娠出産もありましたが、その時々の状況に応じて稼働できる範囲で案件を紹介していただけました。これまでの業務としては、J-SOXの整備運用評価や規程整備、内部監査の支援など、主に内部統制支援に携わってきました。また、クライアントワーク以外にも、ブリッジの品質サポートチームで他のパートナー会計士が作成した書類のレビュー業務も行いました。
――具体的に役に立った点はありましたか?
(片桐氏)
会計士.jobの特に役立った点は、私の希望に合った案件を紹介してもらえることです。案件のボリュームや内容についても、希望に合わせて調整していただけるので、育児と仕事のバランスを取りながら働くことができました。また、チームで業務を進めるため、いつでも担当マネージャーに相談でき、レビューもしてもらえるため、安心してクライアントと接することができています。
――会計士.jobで改善してほしい点があれば教えてください。
(片桐氏)
改善点としては、セミナーの内容について、IPOに関連する最新のトレンドや、証券会社が気にするポイントなど、他社の実務事例をもっと取り上げていただけると嬉しいです。
4.独立体験からの学び
――独立されてから学んだことや、失敗から得た教訓を教えてください。
(片桐氏)
独立して良かったと感じるのは、育児と自分のキャリアを両立できた点です。独立していると、自分の時間を自由に使えるので、子供との時間を大切にしながら仕事を進めることができます。
一方で、家族以外と話す機会が少なくなるため、ビジネスに関する会話の機会が減り、言葉がスムーズに出てこないことがあります。特に、経営者とのディスカッションでは、質問の幅を広げるのが難しく感じました。この経験から、日常的に周囲の人と会話することや、情報収集のためのアンテナを常に張っておくことが重要だと学びました。
5.将来の目標とビジョン
――今後の目標やビジョンについて教えてください。
(片桐氏)
今後は、下の子がもう少し大きくなり、まとまった一人の時間が取れるようになったら、上場準備企業の監査役に挑戦してみたいと考えています。ひとつの企業に深く入り込み、上場を目指すプロジェクトに関わりたいという思いがあります。
これまでの経験を活かし、監査役として会社の経営をサポートする立場に立つことは、非常にやりがいがあると感じています。プロジェクトのゴールに向かってチームをリードし、企業を支える役割を担いたいと考えています。
6. これから独立を目指す方々へのメッセージ
――最後に、これから独立を目指す会計士の方々に向けて、メッセージをお願いします。
(片桐氏)
会計士の魅力は、選択肢の広さにあると思います。仕事の幅も非常に広く、選ばなければ必ずどこかに仕事があるという安心感があります。独立に迷っている方や自信がない方も、ぜひ思い切って一歩踏み出してみてください。上手くいかなかったとしても、会計士.jobには多くの案件がありますし、ブリッジコンサルティンググループの社員さんもサポートしてくれるので、安心して挑戦できる環境が整っています。
また、独立することで自分の求める働き方を実現できるのも大きな魅力です。私のように育児を中心に据えたい方にとって、柔軟に働ける最高の環境だと思います。いつか皆さんと一緒に案件に取り組む機会があれば、その時はどうぞよろしくお願いいたします。
インタビューを終えて
今回は片桐彩夏様にお話を伺うことができました。
監査法人から事業会社への転職を経て、出産・子育てを挟みながら独立された経緯は非常に参考になりました。また独立当初は監査法人での経験を活かし、J-SOXや規程整備の業務に挑戦しながら、会計業界への復帰とキャッチアップに取り組まれた点が印象的です。 最近では、女性会計士の中で監査役を目指す方が増えてきており、その準備段階として上場準備企業への支援を通じてクライアントの課題を深く理解した上で、監査役に就任するというキャリアの選択肢があるのではと考えます。 貴重なお話ありがとうございました。
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