【会計士インタビュー】グローバルキャリアの築き方――日本からアメリカへ、会計士としての挑戦

今回はグローバル案件等で活躍している宮澤さんにお越しいただきました。会計士.jobの活用方法や自分の叶えたいことに向けてどのように行動したか、色々聞かせていただきました。


宮澤 智也 様
大手監査法人の国際部で3年間勤務後、カナダ留学を経てアメリカの監査法人へ現地採用ポジションで転職。2020年に会計士.jobへ登録し興味ある分野の案件で経験を積みつつ、アメリカにおいて米系及び日系事業会社での勤務を経て、現在はアメリカの会計事務所に勤務している。
1.キャリア概要、独立の経緯
――公認会計士を目指したきっかけについて教えてください。
(宮澤氏)
大学在学中に公認会計士の試験に合格し、2006年に日本の大手A監査法人へ入社しました。国際部に所属し、日系グローバル企業や海外企業の日本子会社の監査を担当していました。
――日本の監査法人を退職し、海外に挑戦することになったきっかけは?
(宮澤氏)
監査法人の仕事を通じて英語に触れる機会が多く、またプライベートでの海外旅行を通じて、海外での生活や仕事に興味を持ちました。25歳のとき、独身で身軽だったこともあり、カナダのトロントに語学留学することを決意しました。 当初は英語の勉強を目的としていましたが、現地での生活を通じて「この環境で仕事をしてみたい」と強く感じるようになりました。そこから具体的にアメリカでの就職を目指し始めました。
2. 海外キャリア初期の状況
――アメリカでのキャリアスタートにあたって、苦労したことは?
(宮澤氏)
カナダでの語学留学を経て、2011年にアメリカの大手B監査法人へ現地採用されました。日系企業向けの監査業務から始め、徐々に英語環境の業務へとシフトしました。しかし、英語の壁は高く、ネイティブのスピードについていけず、クライアントとの会話を理解するのに何度も聞き返さなければならず、苦労しました。特に監査法人の仕事ではクライアントに対するヒアリングが重要になりますが、質問の意図が正しく伝わらなかったり、回答を正確に理解できなかったりする場面もありました。そうした中で、少しずつコミュニケーション力を鍛えていきました。
――アメリカでの長期キャリアを考える上で、グリーンカードの取得は大きなポイントだったと思いますが、その経緯を教えてください。
(宮澤氏)
大手B監査法人では、ある程度の役職に就くと、永住権(グリーンカード)取得のサポートをしてもらえる制度がありました。私はマネージャーに昇進するタイミングで、会社がスポンサーとなり、グリーンカードの申請を行いました。このプロセスには約2年かかり、その間も監査業務を続けながら手続きを進めました。グリーンカードを取得すると、アメリカでの転職の自由度が一気に高まり、結果として事業会社への転職がスムーズに進みました。監査法人でのキャリアの積み重ねが、次のステップに繋がったと感じています。
――仕事に慣れるために心がけていたことは?
(宮澤氏)
なるべく日々少しずつ英語力を伸ばすことを意識していました。チームメンバーとの会話の機会を増やしたりして、監査業務の内容を徹底的に理解することで、徐々に自信をつけていきました。

3.会計士.jobの活用状況
――会計士.jobを利用し始めたきっかけは?
(宮澤氏)
2020年のコロナ禍でリモートワークが普及し、在宅でできる仕事を探していたときに見つけました。まずは会計士.jobに登録し、案件を見ながら、自分のスキルに合うものを選んで応募する形で利用しています。
――役に立った点と改善点、実際に利用してみて感じたメリットと、改善してほしい点は?
自分のスキルに合う案件を探しやすく、定期的に案件情報がメールで届くのが便利でした。また、会計士.jobのマネージャーさんが私のスキルを理解した上で案件を紹介してくれるので、マッチング精度が高かったです。特に改善点はなく、サイトの見やすさや使い勝手には満足しています。
4.転職体験からの学び
――キャリアチェンジのポイント、日本からアメリカへ、監査法人から事業会社へと転職を重ねる中で学んだことは?
(宮澤氏)
監査法人での経験だけでなく、事業会社で経理や財務報告業務を経験することで、幅広い視野を持つことができました。また、アメリカに移ってからは、英語や現地のビジネス文化を学ぶことで、自分の価値を高めることができたと感じています。
――差別化できるスキルの重要性、グローバルなキャリアを築く上で、重要なことは?
(宮澤氏)
日本の会計士としてのスキルだけでなく、英語やUS GAAP、IFRSの知識を身につけることで、代えのきかない人材になることが重要だと思います。自分自身は、特に、英語でのコミュニケーション力や、アメリカの監査法人や証券取引委員会(SEC)とのやり取りの経験が、今の自分の強みになったと思っています。
5.将来の目標とビジョン
――今後の目標やビジョンについて教えてください。
(宮澤氏)
現在は、会計事務所でナスダック上場企業や上場準備企業の決算支援などを行っていますが、今後もこうした業務を続けながら、さらに専門性を高めていきたいと考えています。また、会計士.jobの案件を通じて新しい経験を積み、相乗効果を生み出していきたいです。
6. これから独立を目指す方々へのメッセージ
――独立を考えている人に向けてアドバイスをお願いします。
(宮澤氏)
・多様な経験の重要性
監査法人での経験だけにとどまらず、事業会社やコンサルティング業務など、多様な経験を積むことをおすすめします。特に、英語や海外での経験を積むことで、より広いフィールドで活躍できるようになると思います。
・早い段階での挑戦を
若いうちに新しい分野に挑戦することで、長期的に見て大きなキャリアの可能性が広がります。興味のある分野があれば、セミナーに参加したり、副業案件に挑戦してみるのも良いでしょう。自分の専門性を磨き、オンリーワンの会計士を目指してほしいです。
インタビューを終えて
宮澤さんのキャリアは、まさに挑戦の連続で、とても刺激を受けました。日本の監査法人から海外へ飛び出し、監査法人・事業会社と幅広い経験を積むことで、グローバルに活躍する道を切り開いた点は本当に参考になります。特に「若いうちに新しいことに挑戦する大切さ」というメッセージが印象的でした。変化を恐れず、興味のあることにはどんどんチャレンジしていく姿勢が、これからのキャリアを築く上で重要だと改めて感じました。

現状の働き方に不安や疑問がある方は是非ご登録を!
公認会計士に特化したワーキングプラットフォーム
「会計士.job」
合わせて読むならこちら

現状の働き方に不安や疑問がある方は是非ご登録を!