公認会計士による新規上場企業の財務分析【株式会社トランザス】

公認会計士の視点から、今注目の新規上場企業を紹介し、財務分析を行います。
IoT端末の製造販売等を展開する株式会社トランザスについて企業分析を行います。
平成25年1月期から平成29年1月期(以下、当期)までの財務情報を用いて、公認会計士の視点から財務分析を行いました。
会計士の5期間財務分析
IoT端末の製造販売等を展開する株式会社トランザスについて企業分析を行います。
会社名 | 株式会社トランザス |
証券コード | 6696 |
市場 | 東証マザーズ(上場:2017年8月9日) |
業種 | 電気機器 |
事業内容 | IoT端末や機器装置の製造販売及びシステム・サービスの提供並びに業務システム等の受託開発等 |
設立 | 1995年1月26日 |
従業員数 | 連結40名(平成29年6月30日現在) |
代表取締役社長 | 藤吉 英彦 |
事業戦略 | 通信機能をもった端末であるIoT端末や機器装置の製造販売及びそれを利用したシステム・サービスの提供等を事業としています。 |
会計士の5期間財務分析
売上推移
- 5期間の売上高は毎期増収となっており、平均成長率は25%と高水準です。
- 同社はターミナルソリューション事業の単一セグメントで、収益構成は主にソフトウェアの開発収入(IoTソリューションサービス及びIT業務支援サービス)、ターミナルの販売収入及び月額サービス収入となっています。
- 当期の売上高は前期比で2%の増加となりましたが、その要因はIT業務支援サービスにおいて新規のシステム開発が減少したことにより18%の減少となったものの、IoTソリューションサービスの映像配信分野においてファームウェア及びミドルウェアの開発とそれらを搭載したターミナルの販売が好調で14%の増加となったことによるものと考えられます。
会社の利益構造
- 経常・最終利益は、当期は減益となったものの、それ以前の4期間は毎期増益となっていました。
- 当期における売上高経常利益率は18%で、前期の20%から減少しています。売上高の増加以上に販売費及び一般管理費が増加したことが一因であると考えられます。
- 平成29年2月に100%保有の海外事業子会社を設立しています。また平成30年1月期第1四半期における売上高経常利益率は9%、売上高を単純年換算すると16%の減収となります。
会社の資本構成
- 当期末の自己資本比率は76.7%と高水準です。また自己資本利益率は23.1%となっています。
PER(予想株価収益率)
- 当期純利益111,695千円、上場時発行済株式総数2,988,000株及び想定発行価格1,300円に基づいて算定した予想PERは34.78倍となります。
企業価値に影響を与える外部的要因
- 売上規模が大きい案件がある場合、その売上計上時期の偏りにより期間毎の業績が大きく変動する可能性があります。
- 海外展開に伴うリスクが事業及び業績に影響を与える可能性があります。
- システム障害や製品の不具合等が発生し、適切に解決できない場合に、事業及び業績に影響を与える可能性があります。

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