監査法人は特に4~5月が繁忙期ですが、それ以外の時期であっても3月決算以外の会社や上場間近の会社を担当している場合は年中繁閑の差がないかたも多いと思います。また、監査法人以外で働く方も、会社の決算期等により業務量に波はあると思います。
多くの業務を担当することはやりがいにもつながる一方で、起きてから寝るまで仕事一色の生活が続くと、心も体も余裕がなくなってしまい、よい仕事ができません。そこで、繁忙期を健康に乗り切るコツを筆者の体験談をもとに紹介します。

1. 睡眠の確保を最優先する

 何よりも大事なのは、質のよい睡眠です。繁忙期中は終電まで働くことも多いと思いますので、睡眠時間が少なくなるのはやむを得ないかもしれません。しかし、会計士の仕事は頭を使いますので、睡眠が十分にとれていないと難しい論点で判断を誤ったり、集中力が途切れやすくなったりします。個人のパフォーマンスが十分に発揮できないと、周りで頑張っているチームメンバーに迷惑をかけてしまう可能性もあります。
寝る直前にはスマホを見ない、帰宅後はシャワーで済ませるのではなくぬるめの湯船に浸かる、夜遅くに食事しないなどの工夫をしてみましょう。筆者は、睡眠の量が足りないならせめて質を、と意識していました。量も足りないなりに少しでも長く確保したかったため、帰宅後お風呂に入ってお化粧を落とし、翌日の準備をして寝床につくまで最速で何分で終えることができるかを少しでも縮めたいと思い、時間の効率を上げることをゲーム感覚で取り組んでいたこともありました。

2. ランチは栄養のあるものを摂る

 毎日のように残業をしていると、特に夜は家で料理をする時間や、そもそも食事をする時間が十分にとれないため、添加物が多く入ったものや手軽な食事で済ませてしまうことも多いと思います。不十分な食事は健康にも美容にもよくありませんので、ランチは少しでも栄養バランスのよい食事をゆっくりと摂ってみてはいかがでしょうか。
 監査法人で勤務していた頃、特に繁忙期でチームメンバーに疲れが見え始めると、決まってチームのリーダーが今日のランチは焼肉にしよう、と声をかけてくれていました。焼肉でなくとも、たまにはパワーランチをすると少しは体の疲れもリセットできることでしょう。

3. 1日くらいは思い切って早めに帰宅する

 来る日も来る日も仕事ばかり。気付いたらもう18時を超えているけれど、そういえば定時という概念を忘れてしまったなぁ。そう思ったら1日くらいは早く仕事を切り上げてみてはいかがでしょうか。走り続けていると、自身のペースがわからなくなってしまい、大事な場面で息切れを起こす可能性があります。また、その日に必ず終わらせなければならない仕事ばかりではないと思います。まっすぐ家に帰り心も体も少し休ませたり、たまにはマッサージやリラクゼーションなどに行ってみたりしてはいかがでしょうか。

毎年訪れる繁忙期。繁忙期後の休暇や旅行の予定を楽しみに走りきるのもよいですが、繁忙期そのものをコントロールしながら、しなやかに乗り越えたいものですね。