「あの先輩、ずいぶん前に監査法人をやめて、今は独立して楽しく働いているって聞いたなぁ。どう頑張ったらそのキャリアにたどり着いたのだろう。報酬は下がらないのかな。自分のペースで仕事ができるなんて可能なのかな。」

 筆者は独立開業して1年足らずの会計士ですが、勤務会計士だった頃は冒頭のように、独立会計士として活躍されている方の話を、自分とは違う遠い世界の話だと感じていました。今は、今後の働き方を考えるうえで憧れる先輩会計士が何人か思い浮かびます。ある一人を対象に、というよりは、何名かの先輩の働き方のそれぞれが素敵だなと思っているので、多くの事例を少しずつ参考にしながら無理をしないで自分らしくキャリア形成をしていきたいと考えています。

憧れの先輩その1:
 20代から独立開業した会計士。主にセミナー講師、経営コンサルタント業や企業の社外役員に従事し、まさに自身の名前で仕事をしている会計士です。会計士はもちろん他士業や各専門分野のネットワークを広く持っているため、プロジェクトごとにチームを組んで働いています。自身や家庭の時間と仕事の時間のバランスをとりながら、肩の力を抜いてしなやかに生きています。

憧れの先輩その2:
 複数の会社からの業務受託で、バリバリ働いている会計士。事務所を構えず、主に委託元の会社に出勤し、その場その場で作業を完結するため持ち帰りの事務作業もありません。自身が実務の第一線に立っているため、最新の実務に詳しい専門性の高い会計士です。複数の会社で働くというところがポイントで、1社専属よりも広く経験が積めるため、1社での経験が他社への業務によいシナジーをもたらすこともあるようです。

憧れの先輩その3:
 上場を目指すベンチャー企業に役員やCFO等として参画している会計士。取締役・監査役・CFOとそれぞれ役割は異なりますが、経営陣の近くで経営を支えることには変わりなく、会計士としての実務経験を活かしながら上場という一大プロジェクトに関わることができるのは何にも代えがたい経験ではないかと思います。鐘を鳴らしてみたいものです。

 ほかにも、独立している諸先輩方の多種多様な働き方を聞いていると、会計士の資格は自分の好きなように働き方をカスタマイズできる手段になると改めて思います。
読者の皆様にとっての憧れの先輩会計士はいますか?アポをとって会いに行ってみると刺激を受けると思います。憧れの先輩が特に思い浮かばない場合は、独立会計士.jobや女性会計士.jobの案件一覧を眺めてみることをおすすめします。ご自身の理想の働き方を考えるうえでヒントが見つかるかもしれませんよ。