【会計士インタビュー|匿名編 Vol.5】"副業"から始めた独立準備。公認会計士が見つけた、リスクを抑えたキャリアの築き方

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「会社を辞めて、いきなり独立する」――そう聞くと、多くの会計士が一度は不安を感じるのではないでしょうか。収入が途絶えるリスク、営業経験のなさ、家庭との両立。踏み出したい気持ちがあっても、最初の一歩をどう踏み出せばいいのか分からない、という声はよく聞かれます。

今回ご紹介するY氏も、まさにそうした不安を抱えていた一人です。ですがY氏が選んだのは、いきなりの独立ではなく「副業」という助走期間でした。会計士.jobに登録し、本業を続けながら少しずつ案件をこなし、経験とリスク耐性を積み上げていったといいます。

本記事では、副業として一歩を踏み出した当時の状況、最初の案件で得た学び、「会計士.job」をどのように活用してきたのか、副業からのキャリア構築を考えている会計士にとって、多くのヒントが詰まった内容です。

Y
Y 様
監査法人での勤務を経て事業会社に転じ、上場準備企業でのIPO関連実務を経験。 2018年に会計士.jobに登録。当初は本業を持ちながら副業として案件に参画し、経験とリスクコントロールを両立させながら独立への準備を進める。 現在は完全に独立し、IPO準備企業の内部管理体制構築や社内規程整備に加え、IT統制・内部監査領域の案件を中心に取り組んでいる。

1. 副業からのスタート――「お試し」で始めた会計士.job

――Yさんが「会計士.job」に登録された当時はどのような状況だったのでしょうか。
(Y氏)

ちょうど自分の会社が上場したタイミングで、そのための作業がある程度落ち着いた頃でした。当時、世の中的にも副業という働き方が少しずつ広がり始めていて、『自分もそろそろやってみようかな』と思ったのが最初のきっかけです

――いきなり独立するのではなく、副業という選択をされたのはなぜですか。
(Y氏)

いきなり外に出て単独でやるのはリスクも高いですし、なかなか踏み切れないですよね。当時、私自身が経験していた会社は政府系ファンドと事業会社の2社ほどで、一般的な意味でいうと決して多い方ではありません。

それだけの経験で外に出て一人でやっていけるのかどうかも正直よく分からなかったので、まずは『お試し』という意味合いも込めて会計士.job経由で始めてみようと考えました。

――副業を始めるにあたり、ご自身の勤務先の兼業に関するルールなどは意識されましたか。
(Y氏)

はい。当時はちょうど会社としても副業を認める方向に動き始めていたタイミングで、社内的にもむしろ経験を積むことを推奨するような雰囲気がありました。もちろん会社の兼業に関するルールを踏まえたうえで、その範囲内で始めています。

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2.初めての案件で学んだ、「会社員」と「コンサル」の違い

――最初に担当された案件について教えてください。
(Y氏)

IPO準備を進めていたA社の社内規程を全般的に整備するプロジェクトでした。上場準備の実務経験があったので規程の内容自体は理解していましたし、『できるだろう』と思っていたんです。

――実際にやってみて、いかがでしたか。
(Y氏)

これが結構大変で。先方の管理部長の方が厳しい方で、最初はなかなか噛み合いませんでした。

今振り返ると、自分がまだ『会社員のノリ』で話してしまっていたんですよね。相手は答えを求めているのに、アドバイスをするような曖昧な言い方をしてしまって、なかなか結論を示せなかった。それでかなりイライラさせてしまった経験があります。

本業も並行してあったので、気持ちのどこかで『副業』『アルバイト』のつもりになってしまっていたんだと思います。でも先方からすればそんなことは関係なく、コンサルとして明確な答えを求めている。そのギャップに気づかされたのが、この最初の案件でした。

――そのご経験は、その後にどう活きましたか。
(Y氏)

会社員としての受け答えではなく、コンサルとして『決める』『結論を示す』姿勢を強く意識するようになりました。

また、その案件では会計士.jobのマネージャーの方にも間に入ってフォローしていただき、トラブルにならずに収めることができました。一人で対応していたら、正直こじれていたかもしれません。

副業の初期段階で、そうしたサポートを受けながら経験を積めたことは、リスクを抑えるという意味で大きかったと思います。

3.案件獲得の心強い味方、会計士.job

――現在の案件獲得はどのような形が多いのでしょうか。
(Y氏)

今はマネージャーの方から直接ご案内をいただくことも増えましたし、自分で募集案件を見て応募することもあります。地方案件、特に関西の案件には積極的に応募していて、今年の頭には神戸の案件を担当させていただきました。

――サービスを利用していて良かった点はどんなところですか。
(Y氏)

案件に求められるスキルや経験が明確に書かれているので、見やすいと感じています。マネージャーから直接ご連絡をいただける機会があるのもありがたいですし、メールマガジンで募集情報が配信されるので、良さそうな案件を見逃さずに済みます。

何より、個人で営業するのはリスクも労力も大きいですが、会計士.job経由であれば案件を紹介してもらえる。個人では出会えなかったであろう案件にも巡り会えました。

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4.子育てと両立しながら、案件を「選ぶ」段階へ

――現在はどのような案件を中心に受けていますか。
(Y氏)

2人の子どもがいるので、比較的時間をコントロールしやすい案件を選ぶようにしています。ある程度ゴールが明確で、プロジェクトとして回しやすいものですね。

最近だと内部統制や、IPO準備書類の作成といった、自分の経験を直接活かせる案件が多くなっています。特にIT統制や内部監査に関わる案件を数多く手掛けており、クライアント企業からAI活用に関する相談を受ける機会も増えています。

――今後、挑戦したい案件はありますか。
(Y氏)

最終的にはIPO準備段階の企業や、関西を中心とした案件を増やしていきたいと考えています。ただ、経験の幅を広げるという意味では、1〜2件くらいは毛色の違う案件にも挑戦してみたいと思っているところです。

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5.AIの実務活用と、ITGCが直面する変化

――最近のAI活用についてはいかがですか。
(Y氏)

内部監査の実務では、規程を読み込ませてチェックリストの土台を作ったり、規程間の整合性を確認させたりといった、比較的保守的な使い方をしています。

――クライアント企業からAI活用に関する相談を受けることも多いのでしょうか。
(Y氏)

はい、『AIをどうルール化したらいいか』という相談は増えています。特にエージェント型のAIが入ってきている会社では、AIが機密情報に自らアクセスする可能性があるため、どういうルールにすべきか悩まれるケースが多いです。まだ明確な正解がある領域ではないので、いくつかの会社の事例を集めながら、ご案内するような形で対応しています。

――ITGC(IT全般統制)への影響についてはどうお考えですか。
(Y氏)

これは正直、大きく変わると思っています。従来のITGCは、変更の可能性がまったくないというわけではなく、『承認された手続きを経ない限り、プログラムのソースコード等が勝手に変わることはない』 という前提で、きちんと作って管理すれば、その後も同じように動くという考え方で成り立っていました。

一方、生成AIの場合はハルシネーション等が入り込む可能性があり、同じ入力に対して必ずしも安定的に同じ結果を返すとは限りません。ここが従来のシステムとの本質的な違いだと感じています。AIエージェントは都度判断が変わり得るので、今回はこう判断したけれど次回は違う、ということが起こり得る。そうなると、統制の前提そのものがずれてしまいます。

本番適用の最終段階だけ人がチェックする、といった統制の敷き方も考えられますが、それでは『AIに任せる』意味が薄れてしまう部分もあります。この領域はまだ答えが確立されていないからこそ、私たち会計士自身も実務の中でキャッチアップしながら、考え方を積み上げていく必要があると感じています。

6.これから独立を目指す会計士へのメッセージ

――最後に、独立を目指す若手会計士へアドバイスをお願いします。
(Y氏)

いきなり会社を辞めて独立する、というのはやはり収入面も含めてリスクや不安が大きいと思います。まずは副業として1〜2件、実務を経験してみることをおすすめします。

本業と両立しながら回せるかどうかを確認したうえで、少しずつ副業の比重を増やし、最終的に独立するという流れであれば、リスクを抑えながら経験を積むことができます。

会計士.jobのようなプラットフォームを使えば、個人では出会えない案件に出会える営業機会が得られますし、リスクを下げながら実務経験を積むという意味でとても使い勝手が良いと思います。

もう一つ意識してほしいのは、クライアント側の期待値の高さです。副業であっても、クライアントから見ればプラットフォームへの手数料分も含めた金額を支払っているわけで、求められる水準は決して低くありません。その意識を持って気持ちを切り替えることが大切だと思います。

インタビューを終えて

Y氏のお話から見えてきたのは、「いきなり大きな一歩を踏み出す」のではなく、「副業という小さな一歩から始めて、経験とリスク許容度を少しずつ積み上げていく」というキャリアの築き方でした。最初の案件で味わった「会社員」と「コンサル」の姿勢の違いという壁も、会計士.jobのサポートを受けながら乗り越えたことで、その後の独立への自信につながったのではないでしょうか。

また、AIエージェントの普及によってITGCの前提が変わりつつあるという指摘は、今後多くの会計士・内部監査担当者が向き合うことになるテーマです。実務の最前線に立ち続けているY氏の今後の知見の発信にも注目したいところです。

副業からリスクを抑えて独立への一歩を踏み出したい方は、「会計士.job」で案件をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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