公認会計士の独立に”失敗”する人の共通点は?対策や失敗したときの対処法について解説

公認会計士として実績を積んだ先に、「独立」を選択肢に入れる人は少なくありません。自由な働き方や高い収入を夢見て、独立を決断する公認会計士も多いでしょう。
しかし実際には、思うように成果が出ず、苦労する方も少なくありません。独立に失敗する方には、いくつかの共通点があります。たとえば、
- ・営業力不足
- ・必要な情報がうまく集められない
- ・時間管理がうまくできない
- ・専門領域の経験不足
こうした課題が、思わぬ落とし穴となってしまうのです。では、失敗を防ぐにはどうすれば良いのでしょうか? また、失敗してしまった場合、どのようにキャリアを立て直せばよいのでしょうか?
実際の会計士のインタビューを交えながら、独立に失敗する人の傾向やその対策、そして万が一失敗した場合の選択肢まで詳しく解説していきます。
独立時に苦労した事例
会計士インタビュー①
情報収集に苦労
ある会計士の方は、独立当初に苦労した点として「情報収集の難しさ」を挙げます。
「会計業界の情報をキャッチアップするのが難しく、新しい基準や他社事例についての情報がなかなか手に入りにくいという点が苦労しました」
【会計士インタビュー】キャリアを活かし、柔軟な働き方を実現する独立会計士の挑戦とビジョン
監査法人などの組織に所属していたときは、こうした情報が自然と入ってきましたが、独立後は自ら能動的に動かなければ得られなくなりました。
この課題に対し、彼女は会計士.jobが提供する無料セミナーを情報源として活用しています。また、その運営会社の案件にアサインされた時は、担当マネージャーに相談することで、他社の事例についても補完し、業務に必要な知識を得ているといいます。
独立後の情報収集には工夫と支援が必要であり、その重要性を改めて実感したと語っています。
会計士インタビュー②
営業の難しさ
別の会計士の方の課題は「営業の難しさ」でした。
「独立初期は本当に手探り状態でしたね。特に営業面での苦労が大きかったです」【会計士インタビュー】キャリアを切り開く勇気と挑戦
監査法人を経て独立した場合、先輩や元同僚から支援を受けられるケースもありますが、彼は「完全にゼロからのスタートだった」と語っています。さらに、東京から関西へ拠点を移したことで、地元での人脈作りも一から始める必要がありました。
このような状況の中で、「会計士.jobなどのオンラインプラットフォームが非常に助けになった」と語っています。オンラインで仕事を探し、案件に応募することで、自身のスキルに合った仕事を見つける手段として活用していました。営業が苦手だからと独立を避けるのではなく、営業以外で案件を探す、1つの手段になりそうですね。
時間管理の難しさ
さらにこの方は、時間管理にも苦労したといいます。
「最初は仕事の量が少なかったため、焦って無理をして多くの仕事を抱えすぎたこともあります。その結果、スケジュールが破綻してしまい、クオリティを保つのが難しくなったこともありました」【会計士インタビュー】キャリアを切り開く勇気と挑戦
特に独立初期は、調査や準備に十分な時間を取れず、忙しい時期にはスケジュールが逼迫し、クライアントに迷惑をかけてしまった経験もあるといいます。
この経験から、「どこで他の人に頼るべきか」を適切に判断することの重要性を学び、現在では無理のないペースで仕事を進めるよう心がけているとのことです。
独立後の時間管理には常に注意が必要であり、特にスケジュールとクオリティの両立には意識的な取り組みが欠かせないと語っています。
独立に失敗しないための対策
情報収集の方法の工夫
独立後は、自分で意識的に「情報のアンテナ」を立てる必要があります。以下のような工夫が効果的です。
- ・定期的に専門メディアや業界紙をチェックする
- ・信頼できるメンターや独立会計士のネットワークに参加する
- ・会計士向けセミナーや勉強会に参加する
特に、オンラインでも情報を発信しているプラットフォームを活用すれば、効率的かつ実践的な情報を得ることができます。
また、情報収集を通じて「今の自分の実力や状況・ポジション」を客観的に見直すことも大切です。もし足りない部分や不安な点があれば、すぐに独立に踏み切るのではなく、一度立ち止まって見直すことも選択肢の一つです。
見切り発車で独立するよりも、必要な準備を整えてから動くほうが、着実で持続可能な独立につながります。
営業力の強化
営業は「独立後にやればいい」というものではありません。むしろ、独立前からの準備が成否を分けるカギです。以下のような取り組みをおすすめします。
- ・過去のクライアントや同僚と定期的に連絡を取り合う
- ・小さな副業やスポット業務を経験してみる
営業は経験と継続が命です。名刺を配るだけではなく、自分の「強み」を相手にどう伝えるかが重要です。
時間管理の徹底
独立会計士は、「働けば働くほど報酬が増える」という構造になりがちですが、時間に追われてクオリティが落ちては本末転倒です。
- ・優先順位を明確にする
- ・タスク管理ツールを活用する
- ・定期的にスケジュールを見直す
これらの対策を講じることで、無理なく安定した成果を出し続けることが可能になります。
独立を失敗で終わらせない。私たちの取り組み(2025年6月現在)
案件紹介
「会計士.job」では、社内のコンサルタントと連携し、経営課題を持つ企業を支援するプロジェクトを多数用意しています。
案件に対して一人で悩むのではなく、チームで対応できる体制があるため、初めての分野でも安心して取り組むことができます。
※案件紹介ページはこちら
ノウハウの提供:定期セミナーの実施
独立後は、企業時代のように誰かが教えてくれる環境がなくなります。そんな中、会計士.jobでは定期的にセミナーを開催し、最新の業界動向や実務のポイントを解説しています。
※セミナー情報はこちら
報酬を受け取りながら独立支援(BISP制度)
独立を目指す会計士に向けた「ブリッジ独立支援プログラム(BISP(Bridge Independence Support Program))」も展開しています。これは審査制ではありますが、報酬を得ながら独立スキルを磨ける仕組みで、BISPに関するセミナーも会計士.jobにて、随時行っています。
もし独立に失敗しても、公認会計士の資格を活かして別のキャリアへ
監査法人・会計事務所・税理士法人などへの再就職
独立がうまくいかなかった場合でも、会計士としてのキャリアは終わりではありません。これまでの経験を活かして、監査法人や税理士法人などへの再就職を検討するのも一つの道です。
コンサルティング会社・FAS・M&A関連業務への転身
独立の過程で得た「経営視点」や「顧客対応力」は、コンサルティング業界でも活かすことができます。特にFAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)やM&A業務において、実務経験は強みとなります。
非常勤・業務委託という働き方の選択
フルタイムの正社員に戻ることだけが再スタートではありません。非常勤や業務委託といった柔軟な働き方も、今では一般的になっています。ライフスタイルや家庭の事情に合わせて、自分に最適な働き方を模索することができます。
独立の失敗は「キャリアの終わり」ではない。失敗を恐れずに挑戦を
独立に挑戦することは、たとえ結果的に失敗してしまったとしても、大きな学びをもたらします。失敗を通じて視野が広がり、より現実的かつ戦略的なキャリア選択が可能になるからです。
大切なのは、
- ・これまでの経験をどう活かすか
- ・柔軟に考え、前向きに動き続けること
私たち「会計士.job」では、独立会計士の皆さまを対象に、多様な案件や支援制度をご用意しています。
また、BISPなど、報酬を得ながら独立スキルを磨ける環境も整っています。独立に挑戦したい方、また挑戦を継続したい方は、ぜひご登録ください。
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