公認会計士による新規上場企業の財務分析【UUUM株式会社】

公認会計士の視点から、今注目の新規上場企業を紹介し、財務分析を行います。

今までにない楽しみを「コドモゴコロ」ある発想で生み出し新たな文化・価値を創造するコンテンツカンパニー、UUUM株式会社について、企業分析を行いました。
会社名 UUUM株式会社
証券コード 3990
市場 マザーズ(上場予定日:2017年8月30日)
業種 情報・通信業
事業内容 動画コンテンツ事業
設立 2013年6月
従業員数 147名(平成29年6月30日現在) ※連結ベース
代表取締役社長 鎌田 和樹(33歳) ※2017/8/11現在
事業戦略 YouTuberを中心とするクリエイターに対する動画視聴者増加につながる各種サポートと、講談社等との提携を通じた番組制作やゲーム開発を含む自社サービスを提供
平成26年5月期(第1期)から平成28年5月期(以下、「当期」)までの財務情報を用いて、公認会計士の視点から財務分析を行いました。

会計士の5期間財務分析

売上推移

  • 過去3年間の売上高は一貫して増加を続け、CAGR(年平均成長率)は348.6 %です。設立から日が浅いうえ、同社が動画ビジネス業界初のYouTuberプラットフォーマーであることから、業容は急拡大中にあります。監査未了のデータながら、平成29年5月期の売上高は当期比111.6%増と、直近においても高い成長率を維持しております。
  • 同社売上の95%を占めるクリエーターサポートにおける収益は大きく2つあり、1つはYouTube上に流れる広告による収益の一部をYouTubeから受領するアドセンス収益です。同社がクリエイターのアドセンス収益を一括して受け取り、受領額を同社売上として計上し、その一部をクリエイターに支払っております。もう1つは、顧客企業の商品やサービスを紹介した動画をクリエイターが制作し、自身のチャンネルで公開する、いわゆるタイアップ動画を中心とする広告収益です。顧客企業より対価としてプロモーション料を受領し、受領額を同社売上として計上し、その一部を動画制作費としてクリエイターに支払います。
  • 当期は、国内スマートフォンの普及や通信インフラの発達を背景に動画の視聴機会が増える中、新たなクリエイターの獲得や育成、クリエイターを活用したプロモーションビジネスの拡大などに注力し、既存の専属クリエイターの再生回数の拡大と新たなクリエイターの獲得を実現した結果、売上が大幅増となりました。
 

会社の利益構造

  • メインの収益であるアドセンス収益については、そのうち20%を同社の取り分として粗利計上しております。また、より粗利率の高いタイアップ動画からの収益と、専属契約していないクリエーターからのサービス利用料収益を計上することで、粗利率は26.7%となっております。
  • 業容の拡大に伴い、人件費が膨らんでおりますが、それを上回るペースで売上を伸長させており、その結果、営業利益率は6.7%となり、設立3期目にして黒字転換しました。
  • なお、動画メディアサービスの新規事業から撤退したことに伴い事業整理損として一過性の特別損失31百万円を計上し、当期利益を大きく圧迫しました。
   

会社の資本構成

  • 当期のROE(自己資本利益率)は55.7%で、自己資本比率は43.7%となっています。
 

PER(予想株価収益率)

  • 平成28年5月期の1株あたり純利益は32円です。ユーチューバー関連の案件として話題性が高く、想定発行価格1,880円(PER57.6倍)となっております。
 

企業価値に影響を与える外部的要因

  • YouTube等の動画配信サービス運営会社の事業戦略の転換により同社サービスが当該動画配信サービス上で展開できなくなるリスク、動画配信サービスが利用者数の減少などによりマーケティング媒体としての価値を低下させるリスク、景気の低迷等により広告主の広告宣伝費枠が縮小するリスク、人気クリエイターの活動休止やスキャンダルや炎上等のリスク、アクセスの急激な増加等による負荷の拡大や地震などの自然災害や事故などによるシステム障害リスク、第三者から意図せずに著作権を侵害される可能性や第三者の権利を侵害してしまう可能性、動画内容に不適切な内容が入ることによるレピュテーションリスクなどが、同社の事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。