会計士事務所・税理士事務所として独立開業後の顧客開拓ツールとして、紙媒体でのダイレクトメールは以前からよく利用されており、最近では、webと組み合わせた効果の高いマーケティングにより短期間でクライアント数を伸ばす事例も増えております。今回は、ダイレクトメール作成の基本について、説明します。

作成における7つのポイント

会計士事務所が事業者等の顧客へ提供するサービスメニューは決算や税務相談など多岐に渡りますが、いずれも自分の知識や経験に対し対価を支払ってもらうものです。顧客から信用や安心感を得ることが重要となるため、家電量販店やスーパーの広告のように安さを前面に出したダイレクトメール(以下、「DM」)は、会計士事務所においては逆効果にもなりかねません。そのような内容のDMで問い合わせしてくる事業者は、他に安い同業者を見つければすぐに乗り換えてしまう可能性が高いとも言えます。DMの読者である社長や経理担当者の信用を失わずに問い合わせ率を上げるには、次のようなポイントを押さえることが重要です。

①まず重要なのが見出し
特に創業して間もない事業者には相当数のDMが届き、その大半が安さを売りにしているため、「創業融資」や「資金繰り支援」等で読者の目を惹く見出しとしましょう。

②読者を意識した内容に
ばら撒いていると思われると印象が良くないので、地域や事業規模などで対象を選別したことが伝わる工夫が重要です。

③問い合わせの心理的ハードルを下げる
無料セミナーや無料相談などで問い合わせに対する心理的ハードルを下げましょう。決算対策や確定申告ないし補助金など、DMを発送する時期に合ったテーマを設定するとより効果が高まります。

④期間限定にする
問い合わせ等を期間限定とし、問い合わせや申し込みを後押ししましょう。

⑤時には速達などで目立たせる
速達などを活用し緊急性が伝わる手段で配送することで開封率アップが期待できます。

⑥大体の報酬額は明示
報酬額の目安を明示しましょう。

⑦問い合わせしやすい設計に
事務所の電話番号のほか、読者がDMを読んだ後にwebで調べることを想定し、検索キーワードの記載やQRコードの印刷が問い合わせ率を引き上げます。

視覚情報に訴えかけよう

ホームページやプレゼン資料などと同じように、文字ばかりでは忙しい経営者や経理担当者が読もうと思いません。そこで、図や写真を多用し、短い時間でも内容が理解できるような工夫をしましょう。特に事務所所長やスタッフの顔写真を掲載すると、潜在顧客に安心感を与え、問い合わせ率がアップする傾向があります。

今回は、会計士事務所の顧客獲得手段として以前から存在するダイレクトメールについて、潜在顧客の関心を引き、開封率や問い合わせ率を上げるためのポイントを紹介しました。webマーケティングと組み合わせ、短期間での顧客獲得を図ることをお勧めします。