会計士.job

さあ、自分にあった働き方を見つけよう
公認会計士のためのワーキングプラットフォーム

MENU+
会計士コラム

公認会計士による新規上場企業の財務分析【株式会社旅工房】

公認会計士の視点から、今注目の新規上場企業を紹介し、財務分析を行います。

今回は、「国際交流の発展及び世界平和に貢献することと同時に、全従業員及び関係者の物心両面の充足と幸福を追求する。」という経営理念を掲げる株式会社旅工房について企業分析を行いました。
会社名 株式会社旅工房
証券コード 6548
市場 東証マザーズ(上場:2017年4月18日)
業種 サービス業
事業内容 海外旅行・国内旅行を取扱うインターネット専門の総合旅行事業を展開
設立 1994年4月18日
従業員数 363名(2016年4月1日時点)
代表取締役社長 高山 泰仁
事業戦略 トラベルコンシェルジュとして、自由度の高い旅行を提供することで、他者との差別化を図っています。
平成24年3月期から平成28年3月期(以下、当期)までの財務情報を用いて、公認会計士の視点から財務分析を行いました。

会計士の5期間財務分析

売上推移

  • 全体の売上高の8割以上を占める個人旅行事業を中心に、売上は右肩上がりで推移しています。また、海外旅行の地域をセクションという組織に分けており、セクション数は平成24年3月期の21から平成28年3月期には30と大きく拡大しています。
  • 官公庁による宿泊旅行統計調査によれば、平成24年から平成28年にかけて延べ宿泊者数は増加しており、中でも外国人による宿泊者数は平成24年の26.3百万人から70.9百万人に急増しています。一方、旅工房においてもインバウンド事業を平成26年3月期より開始しています。平成28年3月期においては、インバウンド需要の更なる拡大とシェアの獲得にあたって、ベトナムに子会社が設立されています。
 

会社の利益構造

  • 2017年3月に破産手続き開始決定を受けた株式会社てるみくらぶも含め、旅行業界における収益構造は近年悪化しており、最大手の一つである株式会社ジェイティービーであっても平成28年3月期の経常利益率は1.7%となっています。
  • 当期の経常利益率は1.0%であり、旅行業界において高い水準ではないものの、前期の0.5%から若干改善しています。
   

会社の資本構成

  • 当期の自己資本利益率は79.7%であり、自己資本比率7.9%となっています。
 

PER(予想株価収益率)

  • 平成28年3月期の1株あたりの純利益は72円72銭です。また、想定発行価格1,180円に対する、当期のPERは16.2倍となっています。
  • また、初値は3,750円で公開価格1,370円の約2.7倍となっています。
 

企業価値に影響を与える外部的要因

  • 国土交通省の調査によれば、直近6年において世界全体の国際観光客到着数は6年連続で増加していますが、テロや戦争等の社会情勢の変化や急激な為替変動により、旅行業界に影響を及ぼす可能性があります。
  • 競合他社として、今後は旅行業を扱う企業のみならず、個人が旅行者に宿泊施設を提供するといった消費者同士が直接取引を行う「C to C」の仕組みを活用した企業も想定され、これまでにないビジネスモデルが旅行業界に参入し、影響を及ぼす可能性があります。